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遂に知の巨人、フランシス・フクヤマ氏の登場ですね。

共和党が大企業の代弁者となり、一方民主党はマイノリティの代弁者となった。
その結果、大多数を占める労働者階級との接点を両党ともに失ってしまったのだ、という指摘は、トランプ現象の前哨戦となったサンダース旋風を見ても、成る程頷けるものがあります。
つまりトランプ氏は実際には共和党でも民主党でもない、第3党であって、二大政党がすべからく国民の利益を代表してきた従来のアメリカ政治の終わりを象徴しているとも言えるということでしょうか。

ではその後がどうなるのか?
次回以降の連載に期待したいところですね。
フクヤマ氏のインタビューは「アメリカ内政、外交、そして民主主義全般に与える影響」の3部構成で聞きました。
アメリカ内政については、槍玉に上がったのはウォール街などの「利益団体」。フクヤマ氏は「さまざまな利益団体が自分たちを守るために特別条項を入れていったため、アメリカの税法は1万ページにも及ぶ」と語り、それが政治の衰退を招いた象徴例と指摘します。
主著『政治の起源』にも、同じように衰退していった様々な政体の事例が書かれており、アメリカもその一つになりかねない、と警告しているように見えました。
伝統と時代の変容の間で置き去りにされてしまった一定の層にアピールしたトランプ氏という分析ですが、トランプ氏を支持した人の中には女性もマイノリティーも、そして一定の富裕層もいたと言われます。共和党・民主党を跨ぐ支持層とも言えます。トランプ氏はビジネスマンであり、選挙での勝ち方を知っていたのだと思えてなりません。そういう意味では、大統領としての勝ち方も計算しているでしょう。すなわち、極端な主張は少しずつ修正し、一方でオバマケアやパリ協定にはやや寛容に臨む。TPPは拒絶するがFTAは容認する。そんな感じではないでしょうか。そういう意味で、トランプ大統領が誕生することは、逆にこれまでやや極端だった民主党・共和党や、分断された米国内の対立を解く上で必然だったのかもしれないとも思えます。
以下の発言は、中低所得層の停滞により格差の固定化が進むと懸念される日本も他人事ではないと感じるところも>>それは、アメリカの政治システムが、ゴールドマン・サックスやウォール街のロビー集団といった利益団体に乗っ取られ、もはや一般国民の利益を代表しなくなった、ということです。
私は「政治の衰退」をそうした意味で使っています

あと、気になったのは、公約実行コストと政権維持のトレードオフに直面し、トランプ氏が大幅に言動を変えても不思議ではなさそうですね。
かつてフクヤマ氏の『歴史の終わり』を読んだ時は随分と西欧中心主義の議論だなと感じました。
(この辺りは浅田彰氏とフクヤマ氏の93年の対談本『歴史の終わりを超えて』でもちょっと揶揄されています。)

しかし今回のインタビューを読むと、フクヤマ氏も「歴史はまだ終わっていない(むしろはじまった?)」という認識ですね。すごく乱暴で卑近な例だと、「ノー残業day」を導入したら「長時間労働の歴史」が終わる訳ではない。むしろ運用が大事。

民主主義もその是非を問う勝ち負けフェイズでは「終わった」のかもしれませんが、「運用は結構難しい」という事が共有されつつあるのでしょうね。
日本におけるキャリードインタレストの税法上の取り扱いは、下記が詳しいので、複雑な議論を読める人はぜひ。日本では一般に総合課税だと思うし、そもそも論としてキャピタルゲインの税率が低率な事に意義が薄れ、デメリットが目立つ様になってると思う。

https://www.nta.go.jp/ntc/kenkyu/backnumber/journal/08/pdf/08_05.pdf
久しぶりにフランシスフクヤマさんの論調を拝読。わかりやすい。

"税法にはcarried interest(ヘッドファンドマネジャーが受け取る成功報酬)と呼ばれる条項があります。
これによりヘッジファンドや投資銀行家のオーナーは、(収入がキャピタルゲイン扱いになるため)成功報酬の15%ほどしか税金を払わなくていい状態になっています。一方、他の高所得なアメリカ人は、(所得税として)39%ほどの税金を課されています。アメリカ人の誰もが、これをフェアだとは思っていません。"
これには驚いた。労働者階級だけでなく、高所得者層の多数も怒っているわけだな。フェアさがなくなったら、アメリカらしくない。政治の衰退…ですね。
共和党はアメリカの経団連、1万ページの税法など、印象的なフレーズが数多く出てきます。共和党、民主党ともに労働者階級との接点を失う中、トランプはビジネスを通じて(例えば、プロレスのWWE)広い層の本音を掴んでいたのかもしれません。
大統領選の選挙人制度には、識字率の低かった時代、字を書けない有権者に代わって投票する意味合いもあった。共和党も民主党もそんな労働者階級との接点を失ったという指摘はその通りだと思う。グローバル化は、先進国の労働者階級を切り捨てて進んできた。そのグローバル化の本家本元で、労働者階級が怒りを爆発させ、大金持ちのトランプ氏を選んだとは何という皮肉だろう。このインタビューは、歴史は終わることはない、とフランシス・フクヤマ氏自らが語ったことになる。歴史とは意外が皮肉を巻き込みながら綴られるものか。
Changeをスローガンに掲げて大統領になったオバマ氏もワシントンのロビー団体とwall streetの金融界の力による政治体制を変えることはできなかった。労働者や白人の不満を背景に当選したトランプ氏もその政治体制を変えることをスローガンにして来たが、彼の取り巻きには元ロビーストが多い上に、自分のビジネスの利害を共有する経済エリートたちと激しく対立してまで本当の改革を実行するとも思わない。今の税制の恩恵を受けたトランプ氏は今までに莫大な利益を得て富を蓄積して来た。これからのアメリカの政治にとって重要なのは共和党と民主党がいかに労働者階級と若者の利益を代表出来る党に改革できるかということだと思うが、共和党の伝統と理念にその構成員を考えると期待できない。それで分裂したかに見える民主党に期待せざるを得ないことになる。「政治の衰退」という言葉は適切でないように思われる。むしろ二大政党制度が良く機能しなくなってしまったことによってアウトサイダーが空白を埋めて来たのではないだろうか。選挙が終わっても政治活動はアメリカ各地で続くだろう。特にカリフォルニア州の動きに注目したい。
この連載について
下馬評を覆しての「トランプ圧勝」。トランプ大統領の誕生は、世界の大きなターニングポイントになる。トランプ後の世界はどんな世界になるのか。経済・日米関係、米中関係、米ロ関係などの切り口から将来を展望する。