【フランシス・フクヤマ】トランプ現象を招いた「政治の衰退」

2016/11/28
国際政治学者、フランシス・フクヤマ氏の名が一躍世界にとどろいたのは、1989年に論文「歴史の終わりか?」(後に『歴史の終わり』と改題、書籍化)を発表したときのことだ。
同論文でフクヤマ氏は、民主主義が社会制度の最終形態であることを説き、共産主義に対する民主主義の勝利を宣言した。
しかし今、グローバル経済の行き詰まりと、その反動としての排他主義が台頭し、「内向き志向」で支持を集めるポピュリスト政党が各国に出現している。同氏が宣言した「民主主義の勝利」は、いくぶん評価が揺らいでいるようにも見える。
そんなフクヤマ氏は今回のアメリカ大統領選をどう見ているのか。アメリカ内政、外交、そして民主主義全般に与える影響を聞くべく、NewsPicks編集部は国際ジャーナリスト・大野和基氏とともに、米スタンフォード大学にある彼の研究室に足を運んだ。
近年のフクヤマ氏の関心は「政治の衰退(Political Decay)」だ。