僕、宮台真司がトランプ大統領の誕生を待ち望んでいた理由

2016/11/18
まさかのトランプ政権がアメリカに誕生することになった。マスコミによる事前の各種世論調査とは全く違い、しかも圧勝という結果に、多くの人が困惑といら立ちを隠せない。一体この「トランプ現象」は何を意味しているのか。トランプ氏が劣勢とみられていた2016年9月の時点で、勝利することを予想するばかりではなく、トランプ勝利を「望んでいた」という、社会学者の宮台真司氏に、いったいなぜトランプ勝利を望み、そして当選を祝ったのかを聞く。
*本記事は、TBSラジオ「デイ・キャッチ」の2016年11月11日のオンエア内容をもとに加筆修正したものです。
トランプ現象を読み解く3つのポイント
・その1「野放図なグローバリズム」
2016年9月21日に東浩紀氏が主催するゲンロンカフェのイベントで、僕はトランプ支持を初めて表明しました。とはいうものの、トランプ支持は〈感情の劣化〉だ、とTBSラジオの「デイ・キャッチ」で言い続けてきたんですね。つまり、僕の本音は別のところにあった、ということになります。
トランプ支持を口にするのは勇気が要りました。いわゆる識者の中では、トランプ当選を予想する人も例外でしたが、明確に支持を表明する人はまったくいませんでしたから。だから、ゲンロンでは慎重を期して、思想史を遡ってマルクーゼに依拠するという回り道をしました。
さて、本題です。僕がトランプを支持するのは、トランプがよい大統領になるからではない。どのみちこのままでは進まないグローバル化以降の歴史の、推転を早めるからです。例えば野放図なグローバル化は、バックラッシュを招いて、グローバル化自身を終わらせてしまいます。
僕のラジオを聴いている人はご記憶でしょうが、僕は以前から一貫してグローバル化に賛成です。世界銀行の統計からもわかる通り、世界中の貧困率を劇的に下げ、多くの国を新興国にしました。グローバル化は基本的にいいことです。たとえ先進国の中間層が分解して貧困化したとしても、です。
でも、野放図なグローバル化にはブレーキをかけないと、先進国における中間層分解・共同体空洞化・失業者増大・犯罪増大・感情劣化層によるヘイト増大が急すぎて、民主政が誤作動し、戦争さえ起こりかねません。それに加え、グローバル化が諸悪の根源にされてしまいます。
これは極めてまずい展開です。だからグローバル化の速度を制御する必要があるということです。実を言うと「グローバル化は良いことだが、速度に気をつけよう」という警告は、元世銀副総裁でノーベル経済学賞を受けた経済学者ジョセフ・スティグリッツが言うことと同じです。
社会の適応限界を超えた速度は、政治のバックラッシュを招き、経済のグローバル化を台無しにします。だから、僕はいろんな本で、「社会の穴は経済で埋められる」からといって「経済回って社会回らず」を放置すると、「どのみち経済も回らなくなるぞ」と言ってきたのです。
こんな比喩(ひゆ)がわかりやすい。森から薪をとるのはいいけど、木の成長速度を考えて薪を取るペースをコントロールしないと、植林しても森は砂漠になります。よりコストの低い所に資本を次々移動するグローバル化の野放図は、焼き畑農法みたいなもので、すぐ限界に達します。
実はこの種の議論は古くからありますが、耳を貸す向きは少数でした。ヒラリーが大統領になったらそれが続いたはずです。どのみちバックラッシュが来ますが、あとになるほどカオスは激しくなります。だから、ブレグジットに続く今こそが、トランプが選ばれるべきときです。
トランプが選ばれれば、当然混乱が生じます。選挙期間中の発言を額面通り受け取らないにしても、政治的正しさクソ食らえといったヘイト野郎が跋扈(ばっこ)し、女性や民族的・人種的・宗教的マイノリティーズが苦境に陥り、米国内が分断されることは間違いありません。
しかし、誤解を恐れずに言えば、それをもたらしたのは、野放図なグローバル化を放置した連中なのです。自分はグローバル化に賛成だからと「新自由主義万歳! 自由至上主義万歳!」などと叫んでいた能天気な人々が、まだ序の口とはいえ、そうした混乱をもたらしたわけです。
トランプ選出前から、僕がインターネット放送「マル檄」で繰り返し紹介したように、他の先進国に比べた米国の白人死亡率の高さ、象の鼻の図として知られる先進国の中間層没落、過去30年間の政治的立場の両極化……といった統計データからみて、バックラッシュは時間の問題でした。
結局、野放図なグローバル化を推進した勢力、その尻馬に乗る言説を吐いたやからに、責任があります。僕はグローバル化推進論者ですが、そうした愚昧な言説に加担したことはありません。事態がもっとひどくなる前に、立ち止まって節度を考える機会をトランプが与えてくれました。
・その2「正しさか、快楽か」
さて、世界中どこでも、どうしてリベラルや左翼が退潮しているのか。簡単です。「正しいけど、つまらない」からです。「正しさ」の軸と「快楽」の軸があります。「正しさ」と「楽しさ」と言ってもいい。昨今のリベラルは「正しいけど、つまらない」。快楽がないんですよ。
他方、極端な排外主義を叫ぶ攻撃的な〈ウヨ豚〉は、気持ち良さげだけど、正しくない。トランプ支持者にも目立つように、本当は正しさなんてどうでもいいと思っている連中だから、リベラルが彼らを「正しくない!」なんて批判しても「それがどうした」で、痛くもかゆくもない。
このまま「正しさ」と「快楽」が分離した状態だとどうなるのでしょうか。近代社会は、資本主義と主権国家と民主政のトリアーデ(三位一体)です。ところがグローバル化が急すぎて、主権で幸せになるか、資本で幸せになるかの、二者択一を迫られるようになってしまいました。
他方で、中間層の分解に伴う貧困化を背景として〈感情の劣化〉が進むと、劣化した民主政が資本よりも主権を選びますから、資本がますます逃げて、それでますます貧困化して、鬱屈した人々がますます主権を選んで、資本がますます逃げる、という悪循環に陥ります。
「正しさ」と「快楽」が分離したままだと、この悪循環が止まりません。悪循環が進む中、感情に訴えかけて排外主義的な攻撃性をあらわにする指導者ばかりになって、グローバル化が台無しになるどころか世界が戦争だらけとなり、経済に必要な社会の安定が失われます。
思えば、第2次世界大戦後、1970年代まで先進国の人々が社会がうまく回っていると思えたのは、グローバル化以前の内需とタダ同然の原油を前提に、製造業が伸びて中間層が厚みを増し、かつグローバル化以前だったのでアフリカや中南米の貧困国を見ないふりができたからです。
イマニュエル・ウォーラーステインが強調するように地球規模でうまく回っていたわけじゃまったくない。グローバル化で、うまく回り得ない姿があからさまになっただけ。起こっていることはシンプルです。そもそも資本主義と主権国家と民主政のトリアーデなど、特殊な条件抜きでは無理だということ。
中間層が支えるソーシャルキャピタルが潤沢だったから「正しい」ことが「快楽」だと感じられた。心に余裕があったから「正しさ」と「快楽」が重なった。貧乏になると──正確には地位が墜落する途上で──人は自分の弱者感を強いものに寄りすがって埋める。大衆社会論ですね。
「正しさ」を差し置いても気分すっきりの「快楽」を望むようになるということ。これは世の摂理です。といっても(旧)先進国の中間層が分厚くなることは今後は無理。そこで重要になるのは「正しさ」と「快楽」を結びつけるような、コミュニケーションとテクノロジーです。
夏の参院選で解散してしまったSEALDsの、大学入学前から知り合いの奥田愛基さんに僕が言ってきたのは、人々が「正しさ」から離れているのは、「正しさ」をベースにマウンティングするだけで周囲に少しも「快楽」の輪を広げられない〈クソ左翼〉のせいだ、ということです。
僕が言っていたのは、「正しさ」と「快楽」の一致。でも、「正しいけど、快楽もある」じゃダメ。「快楽だけれど、正しくもある」がいい。多くの人々は鬱屈していて「快楽」がほしいんだから、「同じ快楽があるなら、正しいほうがいいでしょ?」と巻き込んでいくのがベスト。
トランプ現象に戻ると、「正しいけど快楽のない──ウィキリークスが暴いたメールを見ると本当は正しいかどうかも怪しいけれど──ヒラリー」が敗れ、「正しくないけど快楽があるトランプ」が選ばれた。今後はどこでもそうなる。ならば教訓は「楽しいけど、正しい」です。
・その3「不安定な民主主義下での愚かな官僚」
もう1つ、「対米従属を前提として座席争いをするヘタレ役人」の問題があります。例えば沖縄問題。辺野古基地問題や、米兵犯罪問題や、航空管制を含めた地位協定の話は全て「対米従属を前提として座席争いをするヘタレ役人」、具体的には法務・外務・経産官僚の、問題です。
TPP問題は面白い。元々は民主党(現・民進党)が推進して、自民党が大反対だったのが、自民党が政権に復帰したら途端に推進側になりましたね。日本の政治家がヨワヨワで霞が関に「オンブにダッコ」じゃないと回らないから、与党になるとヘタレ役人の言いなりになるのです。
これも以前からいろんな本に書いたけど、役人は「与えられたプラットフォームを前提にした予算と人事の獲得にいそしむ動物」だから、プラットフォームの永続性に誰よりもこだわります。その意味で、ころころ変わる政権よりも、大ボスであるアメリカに仕える方が合理的です。
だから、いつまでもアメリカに大ボスであり続けてもらわなきゃ困るのです。でも、既に話したように、グローバル化を背景にして各国同様アメリカの民主政も不安定になっているから、「アメリカについていけば盤石」などという岡崎久彦的な“提灯持ち”は、二度と通用しません。
でも、この話も僕は1990年代末からしていますね。冷戦体制か終わったから、いよいよ対米従属を前提とした日米安保が見直されるかと思いきや、1996年からの安保見直しの2プラス2協議と翌年の日米安保共同声明と来たら「アメリカの戦争には必ずついていきます」だと。
揚げ句が、1999年の第145回通常国会における盗聴法・周辺事態法・国旗国歌法・憲法調査会設置法などに向けた展開でした。左翼が「国家権力の横暴」とほざくから、僕は集会などで「違うぜ、対米従属を前提として座席争いをするヘタレ役人の問題だ」と言い続けました。
トランプ現象を僕が“祝う”理由は、こうした主要3つの気づきを与えてくれるからです。第1は、野放図なグローバル化がグローバル化の最大の敵。第2は、快楽なき正しさでマウンティングするリベラルがリベラルの最大の敵。第3は、対米ケツなめ官僚こそ愛国者の最大の敵。
結局、僕の二十数年来の台詞だけど「社会はいいとこ取りできない」んですよ。野放図な自由貿易にブレーキをかけないでおいて、「ダイバーシティ(多様性)が大切」とか「LGBTの権利拡大に賛成」なんてあり得ないのです。いったいどの口で言ってるんだ、ということです。
野放図なグローバル化は急に没落する層を生む。この没落層は必ず怨念を抱える。怨念を抱えれば「正しさ」と「快楽」が分裂して「快楽」にくみする。そうなればフェアネスなどクソ食らえとなる。なのに「私は自由貿易とダイバーシティの両方に賛成します」だと? 愚かすぎる。
20年前に僕はこう言っていました。「野放図な工場誘致に賛成しておきつつ、少年犯罪の凶悪化を憂うるなどあり得ない。巨大システムに依存すれば、不況や事故でシステムが回らなくなった途端、社会の穴が露呈しまくって当たり前」と。そこにも「いいとこ取り野郎」がいた。
日本は刑法犯の罰がかつて驚くほど軽かったのに、犯罪率も再犯率も低かった。理由は共同体的温情主義です。生まれた時から犯罪者になりたがる者はいない。彼・彼女を犯罪者にした共同体も責めを負う。だから保護司制度などで犯罪者を共同体に再包摂して更生させる──。
共同体的温情主義の支えは、僕らが地域や家族を大切にする感情を“現に持つ”ことです。道徳教育を通じて“持つべきだ”と力説することとは違います。社会学の定番的理解を言えば、共同体が空洞化したから共同体主義が噴き上がり、伝統が空洞化したから伝統主義が噴き上がる。
「お座敷論壇」で“べき論”のマスターベーションにいそしむ暇があったら、それ「を」何が可能にするか、それ「が」何を可能にするか、といった社会的条件を機能的に分析して、仕組みや制度を変えろ。それが、1993年の論壇デビュー以来、僕が言い続けてきたことでしたよね。
という具合に、二十数年間も同じことを言い続けてきたのに、誰も“気づき”に到らず、何も変わらなかった。周りに話をあわせる方が大事、みたいな日本的あり方も障害でした。アメリカ大統領選でシンボリックな出来事が起こるのは“気づき”への道として歓迎する他ありません。
アメリカは極端から極端にスウィングバックします。株高が象徴するように、トランプが押したボタンの延長線上でアメリカのポジションをどう保つか、世界平和をどう保つかという風に切り替わった。日本だけ“気づき”がないまま、なぜトランプが……などと憂いに沈んでいる。
経済でも反グローバル化の動き?
話を少し変えて、経済の話をしましょう。今、世界の貿易量は減っています。アメリカだけでみても、GDPは成長しているのに、貿易量は減っています。韓国の大手海運会社「韓進海運」は倒産しました。これを反グローバルの動きだと見る向きが大勢ですが、単純すぎます。
確かにグローバル化で疲弊した中間層が「資本よりも主権」を掲げる政治家に力を与えています。しかしグローバル化の野放図にはバックラッシュが起こって当然です。それを予測できないやからが悪い。現に起こったバックラッシュを教訓に「グローバル化の制御」に向かえばいい。
もう1つの要因があります。グローバル化が利益をもたらすのはテクノロジー水準が低かったからです。かつて中国は「世界の工場」で、先進国がこぞって中国で中間生産財を作ったのは、低賃金労働者の「人海戦術」が効いたからです。でも賃金はどんどん上がりました。
人々の購買力が上がると最終生産財を中国内で消費するようになるから、中間生産財を輸出して……というかつてのビジネスモデルが廃れて、内需で回るようにシフトします。それで中間生産財の製造は貧しい東南アジア諸国へ……という話になるかと言えば、それも単純じゃない。
いずれ熱力学的平衡のごとき飽和が訪れるから持続可能性に限界がある、というだけじゃなく、テクノロジーの発達が労働力に頼る度合いを急減させるので、先進国資本で工場を誘致しても雇用をさして生まなくなります。中国と同じ道を後続国が追いかけることはできません。
テクノロジー水準がコスト競争の鍵になれは、そもそも工場を海外に造る意義も小さくなります。ことほどさようにグローバル化が今後も一直線で進むと考えるのは愚かです。むしろ資本を動かすよりも、必要とされる場所でものを作ったほうが、安くて速くて楽しい、となります。
OSやIoTのような情報通信テクノロジーについても、F1種や遺伝子組み換え作物のようなバイオテクノロジーについても、ライセンシーを一手に握る巨大カンパニーに依存することの、安全保障上のリスクや、格差社会化のリスクが、ますます意識されるようになりつつあります。
巨大システムに金を払っても地元にはなにも残りません。自立的経済圏が健全であれば地元にお金を生み出すシステムが残ります。巨大システム依存はほどほどに。やめる必要はないけれど、これからはローカルなシステムでこそ社会と経済を両立できる。その気づきも不可逆です。
楽しいと言いました。ローカルで顔が見えるのは楽しい。スローフードというと日本人の多くは有機野菜やトレーサビリティを考えるけど愚かです。顔か見える範囲に向けて作って売る。規則があるからというより、「喜んでもらえると楽しい」から良い物を作ろう、売ろうと思う……。
そう、アリストテレスの『ニコマコス倫理学』を思い出します。規則があって罰が怖いから人殺しが少ない社会。人の命を大切だと思う人が多いから人殺しが少ない社会。どちらが良い社会か──。さっきの話に戻せば、「正しい」と「楽しい」が一致するのは、もっぱら後者です。
アメリカにはポートランドという世界中から注目される幸福度の高い60万都市があります。基本はネイバーフッド・アソシエーションと呼ばれる「街区の自治=政治」と、スーパーやコンビニに依存せずに異様に品ぞろえの多い地産地消すなわち「食の共同体自治=経済」です。
繰り返すと、「正しい」と「楽しい」が乖離(かいり)する社会では、人々が分断され孤立して鬱屈します。そんな社会では人々は「正しさ」を無視して「快楽」を求め、重罰の脅迫が社会統制の手段になります。まさに「トランプの社会」。これをもたらすものは何なのかということです。
トランプ現象は一過性ではない
これも繰り返します、というか何十年も言い続けていますが、「経済回って、社会回らず」の状態を放置すれば、どのみち「社会が回らないから、経済も回らなくなる」状態になります。賢明なグローバリストならば、社会の保全に関心を持ち、グローバル化を持続可能にさせます。
社会を保全しなくても他国に資本を移動すればいい。賃金も安く、税金も安く、労働運動もなく、再配分しなくてもいい社会を求めて、転々とすればいい。そんな「焼き畑農法的グローバリズム」は貿易統計から見て既にピークアウトしました。これは長期的なトレンドでしょう。
トランプを支持したのは白人の一部ワーキングクラスの男たち? マイケル・ムーアが言うように、ラストベルト(中西部の旧工業地帯)を見るとそう言えそうです。大きな票田なので、彼はかなり前からトランプの勝利を予測していました。ただメディアは分かっていなかった。
※映画監督のマイケル・ムーアは2016年7月の時点でトランプ勝利を予想していた
実際には、女性の4割以上がトランプに入れました。LGBTの14%がトランプに入れたし、ゲイに限ればかなりがトランプに入れました。LGBTが権利獲得の「正しさ」をもっぱら求めているというのはうそっぱち。多数のゲイが、ミソジニスト(女嫌い)の快楽主義者ですよね。
ネットに棲息(せいそく)する日本のウヨ豚に似たオルタナ右翼とは別に、ピーター・ティールに代表されるシリコンバレーの有力なスーパーエンジニアもトランプ支持です。彼らは新反動主義者と呼ばれますが、彼らは「制度による社会変革」よりも「技術による社会変革」を望みます。
その思考は50年前の「新左翼の父」マルクーゼに似ます。テクノロジーが発達すれば、一方で、シンギュラリティ以降の高度なコンピューターが「正しさ」を判断するようになり、他方で「ポケモンGO」的な拡張現実がモノの再配分を経ずに情報によって人を幸せにしてくれる。
人々がいちいち「正しさ」を考えなきゃならないのは、テクノロジーが未熟だからで、発達したテクノロジーは、人から「人である必要」を免除する。そこから先、人は「正しさ」とは無関係に「快楽」を追求しても構わなくなる。そういう社会に向かおうではないか──と。
投票所に出かけてからトランプに入れることを決断した人が多数いる、との説もありますね。マスコミではトランプ=クソという扱いだったから、馬鹿だと思われたくなくてトランプ支持を公言できず、だから自分の感覚にも確信が持てなかったけれど、実は……という人のことです。
僕は9月半ばに勇気を出してトランプ支持を公言したけど、やはり「馬鹿だと思われるだろうな」ってマジで思いました。それまでずっと「快楽」だけで「正しさ」を考慮できない〈感情の劣化〉がトランプ旋風の背景だって、ラジオで言い続けてきた宮台真司でしたからね(笑)。
ケインズ主義を修正資本主義と呼ぶのに倣えば、僕の立場は「修正グローバリズム」ですね。野放図なグローバル化の「墓穴掘り」を象徴するのがトランプ現象。ここから修正グローバリズムにシフトするのです。テクノロジーに鑑みても、一過性ではなく持続可能な動きでしょう。
(構成:東郷正永、写真:Abaca USA/アフロ)
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