[東京 15日 ロイター] - 任天堂<7974.T>は15日、米アップル<AAPL.O>のスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」向けに、新作ゲーム「スーパーマリオラン」を12月15日から順次配信すると発表した。

自ら手掛けたスマホ向けゲームでは初の大型タイトルとなり、同社のスマホ戦略が本格始動する。

スーパーマリオランは、走り続けるマリオを指でたたいて操作し、コインを集めながらゴールを目指すゲーム。配信開始通知の希望者は2000万人を突破するなど、業績回復の起爆剤として期待されている。

ダウンロードと一部プレーは無料だが、すべてのプレーを楽しむ場合は米国では9.99ドル、ユーロ圏では9.99ユーロ、日本では1200円支払う必要がある。世界151の国と地域での配信を予定している。

同社が関わっているスマホ向けゲームでは「ポケモンGO」が大ヒットとなったが、開発・配信は米ナイアンティック、ライセンス供与と開発運営協力は持分法適用会社のポケモンが手掛けており、任天堂は持分法利益を受け取る立場に過ぎない。ただ、当初は「限定的」とみていた利益貢献が上期に100億円超にのぼったことが明らかになるなど、人気キャラクターの底力を見せつけた。

任天堂はこれまでスマホなど「スマートデバイス」への展開に慎重な姿勢をみせていたが、昨年3月のディー・エヌ・エー (DeNA)<2432.T>との提携を機に方針転換した。

同社はスマートデバイス向け事業について、1)任天堂IP(知的財産)に触れる人口の最大化、2)スマートデバイス事業単体での収益化、3)ゲーム専用機事業との相乗効果──の3つを目的としており、2017年3月末までに、すでに投入した「Miitomo(ミートモ)」に加え、「スーパーマリオラン」、「ファイアーエムブレム」、「どうぶつの森」の3タイトルを投入する計画だ。

(志田義寧)