【小川和久】安倍首相は「トランプのアメリカ」とこう向き合え
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私の乏しい経験でも、日米同盟の米国にとっての戦略的重要性を事実とデータで示せば、米国側からの否定や反論は一切ありませんでした。
問題は、私が米国側の要求を値切ることができているのに、日本の官僚ができないこと。
国益を主張できない国は軽蔑され、軽く扱われることは、湾岸戦争時の米国務長官ベーカーの回顧録『シャトル外交』でも明らかです。
異論反論がなかった日本に関する記述は「日本は130億ドルを拠出した」という1行半のみ。政治家、官僚、専門家の名前は出てこない。
しかし、日本以外の国は全て米国の要求を値切りまくり、それをベーカーは政治家、官僚、専門家の名前を挙げて「タフ・ネゴシエイター」と褒めちぎっています。記述も多い。
アングロサクソン的な米国の思考様式では、日本のような重要な同盟国がノーと意思表示すれば、真剣に耳を傾けるのです。対案がリーズナブルなら、それを受け入れる。信頼も高まる。それなのになぜ、日本は主張しないのか。
これは、私と対談したときの英国の小説家フレデリック・フォーサイスの言葉ですが、まったく同感です。
安定感を見せている安倍外交が、ロシアや中国を相手に本当に外交を展開できるのか、トランプとの初会合は試金石となるでしょう。正面装備ではなく補給の概念から、日本はアメリカ軍にとって大阪本社であり、他の同盟諸国は支店、営業所レベル、という説明は流石に軍事専門家の視点だと思いました。
その意味で、すぐに日米同盟が揺らぐことはないというのも納得ですね。
ただ一方で誰が大統領になるにせよ、中長期的には、対ソ連を前提に構築されてきた日米の軍事同盟関係が、徐々に質的な変化をして行くことは避けられないのだろうとも思います。
そもそも未来永劫、自主的な防衛能力を持たず、アメリカの軍事力の庇護の元で国を保つのも無理でしょうしね。
何れにせよ今後の日本は、いつか自主防衛能力を持つことの覚悟を決めなければいけない日がやって来るだろうと思います。
その時に備えて、日本の基地無くしては、トランプ氏の主張する偉大なアメリカの復活どころか、今すぐにでも世界の覇権国家から転げ落ちかねないという事実をベースに、逆に基地を人質に取ってより有利な地位を目指して交渉するくらいのしたたかさが必要となってくるのでしょうね。
トランプ氏という稀代のビジネスマン相手には、従来の説明して理解を求めるレベルでは通用しません。
こちらも同様にハードネゴシエーターでなければ、到底太刀打ちができないでしょう。>それゆえ、「米国にノーと言ったら安保を切られる」と日本国民が誤解しているのとは逆に、米国は日本が同盟関係を解消することを怖れてきたのです。
地政学の観点から見ると、アメリカという国は北米大陸に孤立しており、大西洋と太平洋が大き過ぎるという状況に置かれています。よって、いわゆる「ジャンピングボード」が必要であり、前線基地として、大西洋ならイギリス、太平洋は日本が必要になるのです。
だから、アメリカにとって日本を押さえておくことは不可欠、と言えます。