「NPが仕事の自主練になった」営業職ピッカー・黒澤友貴さん

2016/11/12
ピッカーの皆さんをご紹介する本連載、すこし間があいてしまいましたが、NewsPicksの魅力をもっと知っていただくために、これからも続けてまいります。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします!
今回ご紹介する10人目のピッカーは黒澤友貴さんです。
「営業職こそNewsPicksを使いこなすべきだ」という持論をお持ちの黒澤さん。ご自身の活用法や、NewsPicksで磨いたコメント力がどのように仕事の役に立つか、お話をうかがいました。

NewsPicksで発想力・企画力を鍛える

——黒澤さんのプロフィールには「マーケティング・営業・経営企画を横断中」とありますが、どんなお仕事をされているのでしょうか?
簡単に言うと、インターネットの広告代理店ですね。ヤフーやGoogleなどを組み合わせた広告プランを企画し、クライアントの売上を上げるためのご提案をするのが主です。また、クライアントのマーケティング戦略そのものを考えることもあります。
——NewsPicksでは活発にコメントをされています。何が知識欲や向上心の源となっているのでしょうか?
新卒で今の会社に入ってからずっと営業をやってきて、「自分の仕事の価値がどこにあるのか、見つけにくいな」と危機感を覚えたんです。ネット広告の仕事は他の人でも真似しやすいですし、AIにも代替可能なのではないか、と。
「何かをもっと磨かないといけないのではないか」とモヤモヤ考えるなかで、「発想力や企画力を高めれば、自分独自の価値を発揮できるのではないか」と考えるに至りました。
黒澤 友貴(くろさわ ともき)
Webサイト構築やインターネット広告など、Webソリューションを提案する広告代理店に勤務。マーケター、プランナーとして不動産、小売、製造業のクライアントを担当、戦略立案やキャンペーン企画に携わる。本業のかたわら、複数の障害者分野のNPO運営にも関わる。

思考力トレーニングのルーティーン

——NewsPicksは、具体的にどのような使い方をしていますか?
思考力を鍛えるトレーニングとして使っています。仕事が始まる前には、頭の体操として5記事のピックを目標にしています。5つの記事を選び、しっかり読んでから自分の考えをコメントにまとめます。限られた時間内のインプットとアウトプットを日課として続けています
——コメントする記事はどのように探していますか?
総合トップやビジネスカテゴリから選んでいます。例えばビジネスカテゴリでは「もし自分が記事で取り上げられている企業の意思決定者だったら、どう考えるだろうか?」と、当事者の視点で読み、コメントするようにしています。
——記事の内容を咀嚼してまとめたり、関連情報を調べてリンクを紹介したりと工夫されています。コメントを書くときに気をつけていることや、自分なりのルールはありますか?
例えば、記事に書かれている企業の方針や戦略に対して批判的なスタンスを取るときは、単に「反対だ」と書くだけでなく、自分なりの代替案を考えるようにしています。コメント欄はたくさんの方が読まれますので、建設的な着地にすることは心がけていますね。
また、関連ニュース・関連情報は意識的に付けるようにしています。それは、わざわざ自分のコメントを読んでくださる方に、何かしらの付加価値を提供できたらいいな、というのが一つ。そして、一見無関係に見える事象が、実はつながっている、というのを自分自身も再確認するためでもあります。いろんな確度からニュースを見る力がついて、自分独自の視点でニュースを捉えることができるようになると思うからです。
——他のピッカーさんのコメントも読んでいますか?
かなり読みますね。皆さんのコメントを読むのは、自分の考え方が多数派なのか、それとも少数派なのかを確認したい気持ちがあるのかな、と。

アウトプットを繰り返すことで得られた成長

——黒澤さんのコメントは、読む側がはっとさせられるような、あまり考えたことのなかった視点から書かれたコメントも多い印象です。
そうだといいのですが、もともと私は発想力もないですし、文章力も本当になくて。
——ナチュラルボーンなアイデアマン、ではなく、ご自身で鍛えて、身につけたものだとお感じですか?
NewsPicksを始める前から、ビジネスデザイナーの濱口秀司さんが提唱されているアイデア発想法やフレームワークなどは、意図的に使ってみようとはしてきました。
それにより、お客様に対して提案する企画に「自分らしさが出せるようになってきたな」と感じていた頃に、NewsPicksを見つけたんです。ここでなら発想力を日常的に使うから、さらに鍛えられるんじゃないかと思いました。
——NewsPicksを継続している理由を、ご自身ではどう分析されますか?
「Like」というわかりやすいフィードバックがあるのは大きいですよね。自分の出したアイデアや意見が、どこまで皆さんに読んでいただけて、共感を得られたのか、参考になる数字だと思います。
そのフィードバックを手がかりに、今度はどんな書き方をしてみようかと、次を考えるヒントにしています。営業の職業病かもしれませんが、ついコメントも仕事のように、「昨日よりも良いコメントを書きたい」とPDCAを回したくなります(笑)。
それから、5分10分という短い時間でできるコンパクトさも気に入っています。
ブログと違って、文字数も少なくてすみますし、書くテーマが「ニュース」と決まっています。
ニュースの内容は記事に書いてありますから、読んでくださる方と背景の共有もしやすい。その分、短いコメントでも意図を伝えることができます。
そして、「NewsPicksで得られることは仕事の役に立つ」という手応えがあるんです。それが一番大きな理由かもしれないですね。
——どんなときに実感されますか?
お客様との何気ない雑談などで、先方の発する一言に反応してアイデアを出す瞬発力が上がっていると感じます。記事を読んで考えたことを、短時間でコメントにまとめる自主練を毎日やっているわけですから、その積み重ねは大きいですね。こうした力は計測不可能なものではありますが、実感値としてあります。
そして、NewsPicksを通じて日々のニュースについて学ぶことで、いろんな切り口で相手と対話ができるようになりました。そのおかげで、お客様についてより理解を深められるようになったと感じます。
また、アウトプットをくり返すことで、自分の意見について、きちんとスタンスを持ってお話しすることができるようになってきました。

NewsPicksを通じて、もっと「同志」とつながりたい

——NewsPicksに望むことはありますか?
コメントの保存が簡単にできるようになったらうれしいです。今は、コメント欄を読んで、共感した方のコメントを、記録のためにエバーノートに書き写しているので。
また、自分のコメントデータをCSV形式でダウンロードできるようにして欲しいですね。コメントの効果測定がしたいんです。自分が1か月間でどれだけピックやコメントをしたか、コメントするカテゴリに偏りはないか、Likeを集めやすいコメントの傾向など、自分で分析できるとさらに達成感が得られると思うんです。
それから、同業種の方や同じ興味を持っているピッカーさんと、交流を深めたいです。新しいNewsPicksの活用方法について話すことができたら、お仕事でも発展があるかもしれないですよね。公式イベントでうまくつないでいただけるとうれしいなと思います。
同じようなことはNPのサービスにも言えます。たとえば自分と似たような記事、媒体にコメントしている方、似た業界業種、肩書の方をレコメンドしてもらえたら、ぜひフォローしたい。そういう方が書かれているコメントをもっと読みたいですし、今まで以上に学びが得られそうです。そうすれば、強固なつながりを持ったコミュニティが形成されていくのではないでしょうか。

私にできる社会貢献のカタチ

——これから黒澤さんがチャレンジしてみたいことを教えてください。
仕事の面では、自分の会社の戦略を考えてみようとしています。
これまではクライアントさんのマーケティング戦略を考えるために、私個人の力をどう伸ばすかを意識してきました。これからは、学習力のある組織づくりについて考えを深め、一貫性のある営業戦略とマーケティング戦略を立案してみたいです。
プライベートでは、現在2つのNPOの運営にも関わっていますが、こうしたNPO団体の活動にも注力したいです。
学生時代には障がい者福祉のNPOで、知的障がい者と健常者がいっしょに暮らすシェアハウスの運営をやってきました。この分野は国の補助金に頼る側面があるため、資金面で限りがあって、新しいことにチャレンジしにくいんです。それに、障がい者自身とその家族ぐらいの狭い範囲で終わりやすい分野でもあります。
学生時代から携わってきた障害者福祉のNPO団体で、マインドマップを作成中の黒澤さん。「自分には発想力がないのが悩みだったので、ツールに頼るしかない!と思い、アイデア発想法やフレームワークをいろいろ試してきました。社会人として身につけたスキルを活かして、団体の活動をさらに発展させたいです(黒澤さん)」
こうした状況を変えるため、自分が仕事で学んできたことを活かすことはできないかと考え中です。私のように第三者がそこに関わることで、活動領域を広げたり、より多くの参加者を募ったり、営業的な視点を活かして発展させられないだろうかと思っています。
いずれもまだこれからですが、NewsPicksでのコメント同様、コツコツとチャレンジしていきたいですね。

黒澤友貴さんおすすめのピッカー

Okaさんが得意とされるファッション、エンタテインメントの分野は門外漢で、ニュースを鵜呑みにしやすいので、違った視点からの指摘が勉強になります。コメント欄が両論併記になるように、皆がイエスと書いているときにもあえて流れに逆らうことをお書きになる。私も見習いたいです。
医療分野の専門的な知見や、海外生活で得た知見をコメントに盛り込んでくださるので、大いに学ばせていただいています。
切れ味の鋭いコメントが勉強になります。コメントにスタンスをしっかり取られているところ、経営者のご経験などからご自身の得られたことを共有くださって、それが反映されたコメントを読めるというのは、ありがたいことだと思います。
マーケッターとして尊敬しています。ピックされる記事はなるべく目を通すようにしていますし、NewsPicksでの連載も、毎回楽しみに読ませてもらっていました。
■小野 編集後記
NewsPicksをフルに使い倒してくださっている黒澤さん。日々のコメントから好奇心の旺盛さを感じていましたが、「自分の価値を高めなければ」と強い危機感がベースとなっているのだと話してくださいました。

日課としている“1日5ピック”だけでなく、クライアントさんとの打ち合わせでも、NewsPicksのSPEEDA連携機能を活用。業界や競合の情報を調べるのに役立ててくださっているそうです。

そんな黒澤さんが、個人力を磨くための取り組みを、お勤め先やNPO団体の組織力を高めるために活かそうと挑戦中とのこと。黒澤さんのチャレンジに、これからもNewsPicksがお役に立てたら嬉しいです!
<NPコミュニティ・チームからのご案内>
NewsPicksのユーザー・ミーティングを、11月26日(土)大阪、11月28日(月)東京の2都市で開催する予定です。皆さまのご参加をお待ちしております。

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