【田原総一朗】電通とは、ニッポンの「縮図」だ

2016/11/13
特集最終回は、1980年代に電通がいかに世の中のトレンドを作り挙げているか、表も裏も含めて実態を描いた『電通』(朝日文庫)の執筆者である田原総一朗氏に、今の電通がおかれている状況を批評してもらった。
陰のフィクサーの実態
今も、電通は日本政治経済界を操っている「陰のフィクサー」だ、という話がまことしやかに語られているが、実際のところは、良きにつけ悪きにつけ、今の電通の実像はそういう「神話」とはかけ離れている。
「田原さんの『電通』を読んで入社したが、今の電通には世の中のトレンドを作るというより、トレンドの周りをぐるぐる回っているだけと感じており、仕掛け人のイメージとは程遠かった」
以前、電通の若手との意見交換をやってみたが、このようなことを言っていた。中の人間ほど、そういうことは分かっているのである。
田原総一朗(たはら・そういちろう)/ジャーナリスト
1934年滋賀県生まれ。早稲田大学卒業後、岩波映画製作所に入社。東京12チャンネル(現テレビ東京)を経てフリーに。テレビ朝日系『朝まで生テレビ!』『サンデープロジェクト』でテレビジャーナリズムの新しい地平を拓く。1981年に電通の内幕を描いた「電通」(朝日文庫)を出版した。
電通は、数千もの広告主と付き合っていて、自ら担当する広告主に対するロイヤリティも高い。広告主に身も心も捧げて業務をこなす彼らは、それぞれの広告主のカラーに意識的/無意識的に染まっていく。