コンビニが警戒する「ドラッグストア」の領土侵犯
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コンビニとドラッグストアの領域重複と潜在的な競合関係というのは避けられない動きです。
これまでも商店街の空き店舗の入札等でしのぎを削ってきましたし、コンビニが化粧品や日用品でPB商品を投入する一方で、ドラッグストアも格安な加工食品を強化するなど一触即発の関係にありました。
長期的には医薬品販売の規制緩和で大手コンビニチェーンが大衆薬を広く扱えるようになれば、ガチンコ対決は必至です。
20年前に栄養ドリンクが医薬部外品に変わった際には、それまでのドラッグストア独占がひっくり返り、今では栄養ドリンクの販売の8割近くがコンビニ経由という状況に転じたという前例もあります。
ちなみに、記事中に出てくる雑誌コーナーを日用品に置き換えたセブンの店みたいな試行錯誤が出てきたのは、書籍卸出身の鈴木前会長が退任した影響も大きいかもしれません。記事で出ていないが、宮崎からスタートして拡大しているコスモス薬品は注目。あと、似たモデルで石川スタートのクスリのアオキもある。いずれもドラッグストアながら、食品比率が5割を超える(記事に出ているツルハは食品を含む「その他」が24%)。
元々ドラッグストアは、雑貨などを安値とすることで来店頻度を上げ、日々あまり買うわけではない医薬品(ただし高粗利)とのバランスで成立する業態。そのなかで食品は、特に毎日事で高頻度。食品のなかでも牛乳・卵など「日配品」と呼ばれるものまで取り扱うことで、その頻度をさらに上げていく(総菜・弁当領域は一部やっているが、まだコンビニのほうが品揃え・ノウハウ含めて圧倒的に強い領域という理解)。
特にコスモス薬品は、「小商圏大店舗」というコンセプト。普通は商圏と比例して店舗の規模は決めるので、それに反するコンセプト。具体的には、1000~2000平米で、通常のドラッグストアは500平米が多いので、かなり規模が大きいことが分かる。大きい店舗だからこそ品ぞろえがあり、そして食品もあることで日々の購買につながり、自社カニバリも恐れず高密度出店することで地域に入り込んでドミナントを構築する。規模があるからPBもできる。
業態は違うが、田舎でこんなに大規模な店舗は成立しないとみられたWalmartが躍進したのと同様な、一見合理的じゃないが、実は合理的で、それが分かった時には他社が模倣しにくい事例だと思う。
http://www.cosmospc.co.jp/co_management.phpドラッグは、よんで字のごとく薬を扱えるというのがその存立根拠であり利幅の高い大衆薬の利益を使い、水などの最寄り品をダンピングして客引きするというのが基本構造なのはkatoさんの指摘の通り。
もうひとつ大きいのは化粧品を買う場所という地位を確立したこと。かつては専門店、百貨店でカウンセリングで定価でしか売れなかった化粧品を、セルフで場合によっては値引きして売る場として、嫌がる大手化粧品メーカーに風穴をあけていき、ロートの肌ラボのような、ドラッグが主力の成功ブランドが出てきたこともあわせ、ますます重要性が高まってます
これにより「美と健康」というポジションを確立しました
近年では処方薬も取り込み、「まちの健康ステーション」として高齢者を取り込むというのが経産省が描くシナリオのようですが、そこはまだまだハードルが高そうな印象ですし、記事にある通り目先のコンビニとの競争が先ですね