Redditに登場「何か質問ある?」
テスラモーターズとスペースXを率いるイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は、世界と宇宙を興味深い視点から見ている。
マスクCEOは10月23日、「レディット(Reddit)」サイトの「Ask Me Anything(AMA:「何か質問ある?」)」に登場し、4段階からなる人類の火星移住計画を披露した。
同氏の言っていることはクレイジーかもしれない。あるいはもしかしたら、真の天才的発想かもしれない。そもそも、その両者は紙一重なのではないだろうか。
だが、マスクCEOの構想に対してどのような態度をとるにしても、耳を傾けるだけの価値はあるだろう。
火星から人工知能までのあらゆるテーマをめぐるマスクCEOのビジョンのなかから、とりわけクレイジーな13選を紹介しよう。
火星の政治体制は、直接民主制になる
1: 「2024年までに人類を火星に送り込みたい」と述べている
「我々はいま、信頼できる火星への物資輸送船を開発している」とマスクCEOは述べた。
「地球と火星の軌道のランデブーは、26カ月に一度しか起きない。したがって、次は2018年、その次は2020年になる。私の考えでは、計画どおりに進めば、おそらく2024年に有人船を打ち上げ、2025年に(火星に)到着できるはずだ」
2: 火星の政治体制をめぐるビジョンも披露
「火星の政治体制は、代議制ではなく、直接民主制になる可能性が高いと思う」とマスクCEOは述べた。
「つまり、さまざまな問題について住民が直接投票する形だ。私が思うに、おそらくそのほうが良いだろう。というのも、(直接民主制のほうが)腐敗の可能性が大幅に低くなるからだ」
3: 人類の移住を目指すだけでなく、火星に賑やかな都市ができることも望んでいる
マスクCEOはレディットのAMAのなかで、火星に「製鉄所からピザショップまで」あらゆるものができてほしいと語った。
4: 火星への最初の旅に乗り出す者は、誰であれ「死を覚悟するべき」と9月に発言
「火星への最初の旅は、きわめて危険なものになるだろう」とマスクCEOは述べた。「命を落とすリスクは大きい。それは避けられないことだ」
5: とはいえ、宇宙で死を迎えるのは、必ずしも悪いことではないだろうとも語っている
「死に場所を選べるのなら、火星はおそらく悪い選択肢ではないと思う」とマスクCEOは語った。
自動運転車使用を妨げるのは殺人行為
6: 「死」をめぐっては、自動運転車の使用を妨げるのは殺人行為に等しい、という発言も
マスクCEOのこの発言は、自動運転支援機能「オートパイロット」を使用していたテスラ車の事故をめぐるメディアの報道を批判する際に出たものだ。
「ひとつ言っておきたいのは――率直に言って、私はこの話題についてまったく心穏やかではいられないのだが――オートパイロットの衝突事故をめぐるメディアの報道の大きさだ」とマスクCEOは語った。
「人間の運転による事故の犠牲者は毎年120万人にのぼる。メディアがほとんど報じていないこうした数に比べれば、(オートパイロットの事故は)本質的にはほとんどゼロに等しい」
「この点をよくよく考えてみてほしい。ネガティブな記事を書くことは、実質的には自動運転車を使用するなと言っているのと同じだ。それは殺人行為に等しい」
7: 「自動運転車の絡む事故の責任を企業が負うべきか」という問題については、エレベーター閉じ込めになぞらえて自説を語っている
自社の自動運転車が事故を起こした場合に、テスラは責任を負うのか、と問われたマスクは、「いや、それは個人保険の責任になると思う」と答えた。
「自動運転車(の事故)をめぐる考え方は、ビル内のエレベーターに閉じ込められるケースとよく似ている。(エレベーター製造会社の)オーチス・エレベーターは、世界中にあるすべてのエレベーターの責任を負っているだろうか? いや、負ってはいない」
8: 火星への人類移住計画を練っていないときは、「人類が実は別の文明のビデオゲームのなかに存在しているのではないか」という議論をよく行っている
「シミュレーション仮説についてはさんざん議論してきた。クレイジーなほどに」とマスクCEOは述べた。
「なにしろ、あらゆる会話がAIかシミュレーション仮説をめぐる話になってしまっていたから、私と弟はとうとう、温かいバスタブにつかっているときはその手の会話を禁止することにした。でないと、ゆっくり楽しめないからね」
9: とはいえ、それは価値ある議論だ。というのも、マスクCEOによれば、我々が生きている世界は正真正銘の現実ではなく、シミュレーションの世界である可能性が高いからだ
「我々が基底現実に生きている確率は、数十億分の1にすぎない」とマスクCEOは語った。
10: それどころか、人類にとっては、自分たちがなんらかのシミュレーションのなかで生きているほうが望ましいはずだ、とマスクCEOは言う。そうでなければ、世界はひどくまずいことになるかもしれないからだ
「我々はおそらく、それが真実であることを願うべきだろう。というのも、そうでなければ、なんらかの悲惨なできごとにより文明が歩みを止め、滅亡してしまうかもしれないからだ」とマスクCEOは述べた。
「だからわれわれは、この世界がシミュレーションだと期待するべきなのだろう。そうでないのなら……我々はいずれ、現実と区別のつかないシミュレーションを生み出すか、さもなければ文明は消滅するだろう」
人類は「すでにサイボーグ」になった
11: 人類は「すでにサイボーグ」になっているという発言も
マスクCEOによれば、メールやソーシャルメディアを通じてデジタルなプレゼンスを持てるようになった人類の能力は、われわれにサイボーグのような「超人的な力」を与えているという。
「皆さんは、20年前のアメリカ大統領よりも強大な力を手にしている」とマスクCEOは語った。「どんな質問にも答えられるし、誰とでも、どこにいてもビデオ会議ができる。無数の人に一瞬でメッセージを送ることもできる。途方もないことをしているのだ」
12: さらに、人工知能の「飼い猫」にならないようにするには、そのサイボーグ的要素を全面的にいっそう進化させ、デジタルの知能レイヤーを脳に付け加えるべきだとも語っている
「飼い猫になるという考えは気に入らないが、それならどうすればいいだろうか?」とマスクCEOは言う。
「おそらく、最善と思われる解決策のひとつは、AIレイヤーの(脳への)付加だろう。(身体のほかの部分と)共生し、うまく機能する、第3のデジタルレイヤーだ」
13: いっぽうで、マスクCEOによればAIは、人類の「存続を脅かす最大の脅威」になるかもしれない
「だからこそ、人工知能にはきわめて慎重にならなければいけない」とマスクCEOは言う。
「最近ではますます、なんらかの規制監督体制を設けるべきだと考えるようになっている。国内レベルでも国際レベルでもいいが、我々が愚かなことをしないようにするための規制が必要だ。人工知能を手にした人類は、魔物を呼び覚ましつつある」
原文はこちら(英語)。
(執筆:Danielle Muoio記者、翻訳:梅田智世/ガリレオ、写真:© 2016 Bloomberg L.P)
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