[東京 26日 ロイター] - LINEが26日発表した2016年1─9月期(国際会計基準)の連結最終損益は前年同期の75億円の赤字から53億円の黒字に転換した。広告事業が好調に推移したほか、土地売却などの一時益も貢献した。

営業利益は前年比15倍の182億円に拡大。トムソン・ロイターがまとめたアナリスト19人の通期の営業利益予想の平均値は239億円で、市場予想に対する進ちょく率は76%となっている。

同社は業績予想を開示していない。

売上高に当たる売上収益は前年比17.2%増の1032億円だった。既存の広告に加え、6月から本格運用を始めたタイムラインやニュース向けのパフォーマンス型広告が順調に拡大した。スタンプなどのコミュニケーション部門も堅調に推移した。

サービス別の売上収益はコミュニケーションが前年比6.2%増の223億円、広告が同72.2%増の314億円にそれぞれ拡大。一方、コンテンツは新規タイトルの売上への貢献が限定的となり、同9.6%減の340億円にとどまった。

7─9月期に限ってみると、広告は前年比52.0%増と大きく伸びる一方で、コンテンツは同18.3%減。コミュニケーションも同7.1%減と失速している。公式スタンプの売上は前四半期比で微減となり、足元では息切れ気味の状況にある。

9月末の主要4カ国の月間アクティブユーザー数は前年比18%増の1億6200万人だった。

同社は第4・四半期について「マーケティングを積極的に実施する予定で、マーケティング関連費用は前年同期で増加を見込んでいる」として「営業利益に一時的な影響を与える可能性がある」との見通しを示した。

*内容を追加しました。

(志田義寧 編集:吉瀬邦彦)