【池田純】球団社長退任にあたって、私が伝えたいこと

2016/10/16
DeNAベイスターズの球団社長である池田純氏が今季限りで退任することがわかった。池田氏はDeNAが球団を取得した2011年12月、球団社長に就任。年30億円近かった赤字を在任5年で黒字化の見込みとするなど、球団を急成長させた。また、チームも5年目で初のCS進出を果たした。
そんな池田氏はNewsPicksのプロピッカーでもあるが、NewsPicksに池田氏からの球団社長の退任理由、そしてDeNAベイスターズへの思いを綴ったメッセージが届いたため、以下に掲載する。
このたび契約期間満了に伴い、株式会社横浜DeNAベイスターズ代表取締役社長を退任致します。チームが初めてのクライマックスシリーズを懸命に戦っていたこともあり、皆様へのご報告が遅れましたこと、心よりお詫び申し上げます。
横浜を、もっともっと楽しく、元気にしたい。横浜から、日本の野球と日本のスポーツと日本を、もっともっと楽しく、元気にしたい。
2011年12月、横浜DeNAベイスターズの発足と同時に初代社長に就任して以来5年間にわたって、その一心で、できる限りのことをやってきたつもりです。
多くの皆様に、横浜のプロ野球と横浜のボールパークをおもいっきり楽しんでいただきたい。
一人でも多くの方に、ベイスターズのファンになっていただくことで、毎日の生活をより一層豊かに楽しんでいただきたい。
私自身も生まれ育ててもらった横浜の街の、プロ野球チームと球団と球場が、世代を越えて愛され、地域の人々の会話を育む絆になりたい。
そして、横浜スタジアムをいつも満員にし、横浜の街をもっともっと元気にしたい。そう思って、5年間、経営に邁進してきました。
今年、球団の主催試合における観客動員数は史上最多の約194万人、主催試合全72試合のうち54試合が満員となり、目標の一つとしてきた球団単体での黒字化も達成する見通しです。二つ目の目標であった球団と横浜スタジアムとの一体経営も実現することができ、未来にわたって安定的な経営基盤も整いました。そして、三つ目の目標であった優勝争いができる組織づくりも、日本のプロ野球チームで最後のクライマックスシリーズ進出を達成したことで、一定の目標に到達しました。
これらはひとえに、ファンの皆様、関内・関外をはじめとする地域の皆様、横浜経済界と横浜市を含む横浜の皆様、横須賀の皆様、神奈川の皆様、宜野湾と嘉手納の皆様、奄美の皆様、報道・メディア関係者の皆様、お力を貸していただいた関係各社の皆様、球団OBの皆様、そして選手やチームスタッフを含めた球団職員・球団関係者・その家族の皆様のご理解とご協力の賜物です。
この場を借りて、改めて御礼申し上げます。
この5年間、初代社長として様々なことに大胆かつ柔軟に挑戦することをお任せいただいた、株式会社ディー・エヌ・エーにも感謝をしております。
私は、すべてにおいて、変化し続けること、進化し続けることは必要不可欠だと考えております。慢性的な赤字体質や低迷し続けるチームから脱却し、経営と組織の再建・再生を図るのが私の役割だと肝に銘じて邁進して参りました。これから先も未来の横浜と横浜のプロ野球のために、常に変化し続ける、常に進化し続けることは必要不可欠です。
自分にしかできないことをする。しがみつかない。
私が経営者として100%の力を出すための源の考え方です。
就任から5年、再建・再生を託された経営者としての役割を終えたと感じ、次の経営体制にこの先を託す時だと考えるに至りました。
私の今後は全くの白紙ですが、多くの人を楽しませるとともに、地域を元気にし、日本を元気にする、そんな経営にたずさわれる機会に再度出会い、微力ながら日本の社会に役立つことに情熱を注ぎたいと考えております。
これからも永遠に、横浜とベイスターズを陰ながら応援させていただければ幸いです。
お世話になったすべての方々に、重ねて御礼申し上げます。
5年間、本当にありがとうございました。
2016年10月16日
池田純