市場規模20兆円へ。中国の「越境EC」は「爆買い」を超えるか

2016/10/16

「爆買い」の次の主役

いま中国で、ネットを通して日本商品を購入する「越境EC」が熱を帯びてきている。
越境ECとは、ネット通販を通じた国際的な商品購入のシステムで、日本からAmazonなどを通して海外の商品を購入することをイメージすれば分かりやすい。
市場規模は拡大の一途をたどっており、「爆買い」の次の主役になりそうな勢いだ。
中国では、爆発的に利用が拡大したスマートフォンを通したネット利用が人々の生活の一部になっている。
しかも、都市部における宅配便を中心とする在宅購買もほぼ定着している。都市部であれば、注文翌日や翌々日に自宅に届くシステムがほぼ完備されており、越境ECが広がる下地は十分にある。
すでに中国のネット市場は日本の10倍に成長しており、米国を抜いて世界最大の規模に達している。
2015年、ネット商店最大手アリババの「天猫」(Tmall)は、中国人が一年で最も買い物をする日である「独身の日」(11月11日)だけで、912億人民元(約1兆8000億円)の売り上げを記録した。
これは東京都の百貨店の年間売上額を超える金額だ。
2018年には越境ECだけで年間1兆人民元(約20兆円)の市場規模になるとの試算もある。