【猪瀬×おときた】なぜ築地の問題が噴出しているのか

2016/10/16
小池百合子氏の圧勝で終わった東京都知事選挙。小池都政がまず取り組むべきテーマは何か。東京大改革を成功させるポイントは何か。NewsPicksは「小池都政を問う」というテーマのイベントを9月に開催した。猪瀬直樹氏とおときた駿氏によるセッションを5回連続で掲載する。
第1回: 都政問題の本質

築地問題のナゾ

佐々木 次に今話題の築地について話を聞かせてください。築地の問題の本質はどこにありますか?
おときた この問題は「とんでもない手抜き工事で大問題だ」みたいに報道されていますが、土壌汚染対策という意味では、化学的処理をするのがいちばん重要な対策だったんです。
でもそれが終わったあとに、それこそ当時の民主党政権が、「土壌汚染対策が不十分だ、不十分だ」って騒いだこともあって、盛り土をするという二重、三重の対策がより強調されるようになったわけです。
法的・技術的な基準だけで言えば、盛り土はやらなくてもよかった。
地下の空洞というのも、「建物を建てるときは空間が必要なんだから、ここにわざわざ土を入れなくてもよくない? 空間を空けておいたほうが、地中のベンゼンが上がってこなくて安全じゃん」ということで空けちゃった、というのがおそらく事の真相なんですよ。
でもそれを見つけたのが共産党だったこともあって、非常に大きい問題だと騒がれてしまっている。
ただ、東京都が「二重に盛り土をしてるから大丈夫です」という安易な説明を繰り返していたことは非常に大きな問題です。
ここを責められると、東京都もわれわれとしても非を認めざるを得ない。