【深層】孫正義がARMを“大人買い”した、その背景を読み解く

2016/10/13
2016年9月5日、ソフトバンクグループによる、英国の半導体設計企業ARMの買収が正式に完了した。この日をもって孫正義は、このARMの会長(chairman)という名刺を手に入れたのだ。
投じた費用は、約3.3兆円。株式市場はこの買収が「割高ではないか」という反応を見せた。2015年のARMの年間売上高は1791億円、税引き後の利益は578億円。単純計算で、買収価格は約60年分の利益にあたる。
それは、孫にとって高値づかみだったのか。
本人は「わかる人にはわかる」、「50手先を読んでいる」と言い放ち、あまり多くを説明していないのが現状だ。
そこで今回、テクノロジー分野のアナリストとして活躍し、投資家向けの金融経済メディアを運営する「Longine」編集委員長の泉田良輔氏に、ソフトバンクによるARM買収の見方を聞いた。
そして仮説の一つとして、孫による3.3兆円の“大人買い”の背景を考察してもらった。