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注目のコメント
堀さんのはじめての友達がユダヤ人だった逸話は、僕の体験(初めての親友)と重なった。
カナダ時代、友達はみな白人のカナダっ子たちだった。住んでいたアパートにわんぱくな三人兄弟がいて、真ん中の子が末っ子をいじめると、今度は長兄が次男を追いかけて怒る。アパートの中庭はちょうどサーキットのようになっていて、そこをぐるぐると走り回る兄弟を見て、カナダ人は激しいなあ、と思った。その長兄は僕より年上だったが、なぜかとてもかわいがってくれた。
そのうちクラスの中で気の合う一人の男の子ができ、ふたりでいつも遊ぶようになった。戦争ごっこが定番だったが、想定はいつも米軍=Good Guyと独軍=Bad Guy。なぜなら日本が登場するとかならず悪者になるので、僕が拒否したから。まだ戦争の記憶が生々しく、敗戦国の子として日本とは何か、日本人とは、と強く意識させられた。
ある日、親友が僕に打ち明け話をした。「誰にも言わないと約束して。僕はユダヤ人で日曜日にはユダヤ教会に行っているんだ。そのことはみんなには内緒。でもきみは親友だから。知ってもらいたかったんだ・・・」。ユダヤ人とWASPとの違いもわからない中、ただならぬ秘密を知らされたことだけはわかった。そして彼の気持ちが嬉しかった。
マイノリティや弱者などが、ある社会の主流からどう思われているか。そのことを、肌感覚として理解できたのは、間違いなくこのカナダの幼少時代があったから。日本人がふつうに「ジャップ」と呼ばれた時代に、カナダ社会で差別を受けていたユダヤ人と親友になれたことで、僕の世界観や価値観はとても豊かになった。WASPのユダヤ人に対するイジメもすごいが、日本人の中国人や韓国人に対するイジメも相当。
その観点で思うこととして、結局のところ、ここ300年単位で見て成長を続けている国がアメリカしかないというのは詰まる所、個々人の考え方はさておき、国の戦略として多様性を受け入れたからという事で半分以上説明できるのではないかということ。ダーウィンの進化論ではないが、変化が激しい時に生き残るのは適応した者であり、適応する者は多様性の中でこそ生まれる。
戦後日本の回復の早さは間違いなく同質性と一致団結による賜物だが、今後の世界では足かせになってしまう可能性が非常に高い。
そのアメリカでトランプ氏のような人が大統領候補になるというのはかなりの危機的シチュエーション。。。色んな方のイノベーターズ・ライフを読んできましたが、学校の話だけでここまで引き込まれる人は初めてかも。なんとも波瀾万丈の学校生活ですね。
日本に帰ってきてマシになるかと思いきや、そこにまたオチがあるのは、もう脱帽です。