石を投げられ、友達がいない。民主主義の体罰に衝撃

2016/10/16

「あいつはジャップだ」

前回述べたように、私は小学校1年生のとき、家族でイギリスに移住し、イギリスの私立小学校に通っていた。
親父に連れられて、ロンドンのハイドパークを歩いていたときのことである。
イギリス人の少年3人が、「あいつはジャップだ」と口々に叫びながら石を投げてきた。いくつかの石は私の頭や顔に命中した。
かなりショックだったが、私は彼らを恨む気にはならなかった。なぜならイギリス人の少年たちが日本人を憎む理由が、なんとなく理解できたからだ。
当時、子どもが読むようなイギリスの漫画では、日本のことは悪く描かれていたので、そういう漫画を読んだイギリスの少年たちが、「日本人は残酷な野蛮人だ」という意識を持つのも無理はない。
ちょうど戦前、戦中、日本人が中国でひどいことばかりしたという教育を受けている現代の中国と同じなのだ。
「自分はその日本人の末裔(まつえい)だから、石を投げられるのも当然だ」と思ったものだ。