「君の名は。」も担当。川村元気、ヒット連発の必然

2016/10/10
独自の視点と卓越した才能を持ち、さまざまな分野の最前線で活躍するトップランナーたち。彼らは今、何に着目し、何に挑もうとしているのか。連載「イノベーターズ・トーク」では、注目すべきイノベーターたちが時代を切り取るテーマについて見解を述べる。
映画プロデューサーであり、小説家、絵本作家。
一人三役で次々とヒット作を生み出しているのが、映画プロデューサーの川村元気氏だ。
これまで手掛けた作品は、『電車男』『デトロイト・メタル・シティ』『告白』『悪人』『モテキ』『宇宙兄弟』『おおかみこどもの雨と雪』『寄生獣』『バケモノの子』『バクマン。』など。そのどれもが、ヒット作となっている。
加えて、小説家デビュー作の『世界から猫が消えたなら』は、130万部のミリオンセラーになった。2作目の『億男』の発行部数も17万部を記録し、中国での映画化が決定。
そのうえ、NHK Eテレでアニメ化され放映中の『ふうせんいぬティニー』、2015年の米アカデミー賞にノミネートされたロバート・コンドウ(Robert Kondo)&堤大介(Dice Tsutsumi)監督によるアニメ化が決定された『ムーム』、そして『パティシエのモンスター』という絵本まで出版している。
そんなヒットメーカーが、2016年また新たな伝説をつくった。
8月26日に公開された、『君の名は。』が爆発的なヒットとなり、興行収入が130億円を突破。日本のアニメ作品で100億円を突破したのは、宮﨑駿作品以外では初めてだ。既に、邦画アニメの歴代ランキングでも5位となっている。
2016年の川村氏のプロデュース作はまだ続く。
9月17日には、芥川賞作家の吉田修一の『怒り』を、『悪人』の李相日監督とのタッグで映画化。音楽は坂本龍一、出演は渡辺謙、妻夫木聡、綾野剛、松山ケンイチ、森山未來、宮﨑あおい、広瀬すずという豪華キャストで、ディープなテーマに挑んでいる。
さらに、10月15日には、戦後最年少で直木賞を受賞した朝井リョウ原作の『何者』が公開される。就活を題材にして、「人間の価値」を問うていく。
「今年は本当に働かされているというか、働いている」と語る、川村元気氏。
なぜ彼はこれほど時代の声をつかめるのか。どのように企画を生み出しているのか。自身のプロデュース作を題材にしながら、縦横無尽に語ってもらった。
次から次へとヒットを飛ばす川村元気氏。なぜそんなにヒット企画を連発できるのか。なぜ失敗がないのか。
川村氏は「企画は料理と似ている」と言う。川村流「映画企画の法則」を「発見」と「発明」という切り口から語ってもらう。
興行収入が130億円を越す空前のヒットとなった『君の名は。』。担当プロデューサーとして大ヒットの要因をどう分析しているのか。
「本当にわからないんです。いろんなメディアからインタビューされたのですが、答えられなくて」と言いつつも、2つの理由を挙げてくれた。
川村氏が『君の名は。』に続いてプロデュースした『怒り』。その作者である吉田修一氏のすごさは「気づく力」にあるという。
「吉田さんは僕が知っている限りでも、気づくということに関してその世界のトップにいる人」と話す川村氏。
「集合的無意識」というキーワードとともに、ヒットの構造を探る。
『怒り』に続くプロデュース作は、10月15日に公開の『何者』。この作品の主役は、東京の就活生たちだが、テーマは就活ではない。人間の価値についてだ。
「人として誰が一番価値があるのか」。そのコピーに込めた思いを聞く。
さらに、11月に発売する連載小説『四月になれば彼女は』を題材に、恋愛できなくなった現代人について語る。
最終回は、会場からのさまざまな質問に回答。
監督と脚本家とプロデューサーの違いは何か?
なぜ「ヘコむ」ことが大事なのか?
なぜ僻地にバックパックで旅行するのか?
映画は最強の芸術なのか?
川村元気氏にとっての映画とは何なのか?
*本記事は、NewsPicks×HIP 第5回「文化・アート」のイベント「東京をもっとクリエイティブな街にするために」の内容を再構成したものです。
(予告編構成:佐々木紀彦、本文構成:長山清子、撮影:御厨慎一郎、デザイン:名和田まるめ)