【直撃】スポティファイCEO「世界一」のすべてを語ろう(前編)

2016/10/3
「The Most Important Man in Music(音楽業界で最も重要な男)」
米フォーブス誌が、スウェーデン出身の若き起業家をこう評し、表紙に取り上げたのは2012年初頭のことだった。
ダニエル・エク。欧米の音楽/IT関係者では知らない者はいない、世界最大の音楽配信サービス「Spotify(スポティファイ)」の創業者だ。
それから4年を経た今もスポティファイは拡大し続け、今や会員数1億人、うち有料会員4000万人を誇る巨大サービスへと進化し続けている。
そのエクが2016年9月29日、7年来の悲願である日本でのサービス開始に合わせて日本へ降り立ったタイミングで、NewsPicks編集部は単独インタビューの機会を得た。エクが、日本のメディアのインタビューを受けるのは、この日が初めてだ。
拠点設置から4年かかった日本進出や、ライバルである「アップルミュージック」との競争、報道が出た米フェイスブックによる買収、また国境を超えたアーティストの未来まで、その強さの「秘密」について直撃した。

2009年に東京を訪れてからの夢

スティーブ・ジョブズ、ビル・ゲイツにマーク・ザッカーバーグ……今や、米インターネット業界のキーマンがいずれもそうであるように、エクも、その一挙手一投足がメディアに注目される起業家の1人だ。
直近では、エクと長年連れ添った女性との結婚式の様子が欧米メディアを賑わせた。盟友のマーク・ザッカーバーグや、人気歌手のブルーノ・マーズが出席したことも注目度を高めた理由の1つだ。
7年来の悲願だった日本上陸もそうだが、結婚もあいまって、今、エクは大きな喜びを噛み締めているのではないか。
ありがとうございます。でも、何よりも、今日こうして、日本でサービスを始められたことは本当に興奮しています。
2009年に初めて東京を訪れてから、この日本で、スポティファイを始めることは長年の夢でしたから。