フォーチュン500企業に静かに浸透
コード管理のスタートアップ「GitLab」は、イメージを向上させるという課題を抱えている。同社の共同創設者でもあるシッツェ・シブランディ最高経営責任者(CEO)はそう語る。
シブランディCEOによると、小規模なプログラミング・チームが個別にソフトウェア・プロジェクトを立ち上げるような場合、共同作業や既存コードへの機能追加、バグ修正のための管理ツールとして、GitLabは他の競合を押さえて最も選ばれているという。
こうした小規模チームでの人気を足がかりに、GitLabはフォーチュン500企業のあいだにも静かに浸透。AT&Tやエクスペディア、IBMなどの開発チームに採用されている。
しかし、そうした大企業が全社の開発者向けにコード管理ソリューションを調達する段になると、経営陣はGitLabではなく、評価額20億ドルのスタートアップ「GitHub」やアトラシアンの「BitBucket」など、もっと名の知れた競合を選ぶ傾向にある。
「企業がトップダウンで意思決定を下す場合には、われわれは必ずしも第一候補には上がらない」とGitLabのシブランディCEOは述べる。
そこでGitLabはこのほど、オーガスト・キャピタルが主幹事を務める投資ラウンドにおいて、新たに2000万ドルを調達した。同ラウンドには、以前からの出資者であるコースラ・ベンチャーズとYコンビネータが再び参加している。
世界各地の社員が遠隔で業務を行う
2015年3月、GitLabの従業員は9人だった。それが同年10月には約30人に増えていた。そして現在、同社の人員は100人を超え、その多くは世界各地から遠隔で業務を行っているとシブランディCEOは明かす。
製品の売上とダウンロード数も、同じく右肩上がりだという。
GitLabがほかと違うのは、何よりも開発者の生産性を高め、開発時間の短縮に注力している点だとシブランディCEOは話す。世界のありとあらゆる企業がアプリやソフトウェアの開発を競っている現状において、これはきわめて重要なことだ。
たとえばGitLabでは、ファイルのひとつをクリックするだけで、統合開発環境(IDE)を直接ウェブブラウザー上で開くことができる。
IDEとはつまり、コードを書くための高度なテキストエディターだ。基本的な機能のように思えるが、これならプログラマーは手元に自分のノートパソコンがなくても、どこからでも作業を行うことができる。
「われわれの目標は、アイデアを現実にするプロセスをより簡単にすることだ」とシブランディCEOは語る。
製品強化とマーケティングの問題
加えて、GitLabは「エンタープライズ環境から生まれた」ツールであり、監査証跡レポートやコンフリクト解決などの機能で、大規模チームのソフトウェア開発を支援できる。たとえば金融業界など、規制の厳しい環境下でも役立つものになっているとシブランディCEOは説明する。
GitLabは総じて、開発者の共同作業に役立つ機能や性能の面で「他の追随を許さない」レベルにあり、チームでプロジェクトに当たる開発者にとって「最も確実な選択肢」だとシブランディCEOは胸を張る。
それでもまだ、GitLabはかなり地味な存在だ。対するGitHubは、コード管理機能にフェイスブックに似たソーシャルネットワーク要素を組み合わせることで、はるかに強い存在感を放っている。またアトラシアンも、2002年からビジネスソフトウェア市場で勝負する、時価総額60億ドルの公開企業だ。
GitLabは今回新たに調達した資金を使って、製品の強化を行う計画だ。しかし、同社の次のステップは主にマーケティングに力を入れ、大企業の目に留まるための動きになるだろう。
すでに製品としては「他の追随を許さない」GitLabだけに、その先の展開についてシブランディCEOは自信を抱いている。
原文はこちら(英語)。
(原文筆者:Matt Weinberger、翻訳:高橋朋子/ガリレオ、写真:Varijanta/iStock)
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This article was produced in conjuction with IBM.