アングル:米石油産業、専門職には「雇用なき回復」
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米国石油産業だけで20万人近くの失業者が出ている。オバマの中間選挙のときは、シェールブーム真っ盛りで、オバマ再選を後押ししたが、今では高額所得者たる石油エンジニアがごそっと辞めてしまったせいで、特にノースダコタ州やテキサス州などの石油産業の街は一気に景気が落ち込んでいる。
一部の行き場を失ったエンジニアは、中東や、ベネズエラ(ベネズエラの国営石油会社はエンジニアを一斉解雇した為に人手が足りていなかった)などに一部流れたが、原油価格の低迷が続く今は、世界全体として雇用需要は小さい。
原油価格が50ドル付近になってきたことで、数週間連続で掘削リグ数が底打ちしているが、未稼働の井戸がたくさんレディ状態であることや、乱高下の後に大きな負債を抱えた中小シェール企業が資金調達をすることは容易ではない。大損を被った資金を提供する側は、これからは下落のリスクをリアルに織り込まざるを得ないからだ。
この石油産業の雇用悪化は、米国連銀の利上げ判断にどのように影響するか。また、中東に流出した人材による技術移転はあるのか。中長期でみた石油供給はどうなるのか。行方が気になるところだ。