築地移転先:豊洲、汚染対策の盛り土せず 都、異なる説明
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築地→豊洲移転は90年代からの長い検討過程があって決まったこと。だから原理主義的な反対運動は前向きでなく蒸し返しで不毛になる。どう改善するかだ。
今回の盛り土の問題は、07年5月から08年7月にかけて土壌汚染対策専門家会議(平田座長)で2mの土壌入れ替え、さらに2.5mの盛り土が公開で決められた。問題はその後に起きていたようだ。専門家会議が親会議とすると、その結論を実施する子の技術会議(実施・施工会議)が08年8月から14年11月までの期間で、なぜか地下水のモニタリングをするには盛り土でなく建物の地下に約5mの空洞を置くとした。その結論は本来なら親会議にフィードバックされなければいけないが、そのまま舛添知事時代の14年6月に工事終了報告書となった。
そしてそのまま豊洲の工事が始まった。中央卸売市場の作ったHPは地下の空洞はなく盛り土の上に建物が立っている。なぜこうした虚偽が罷り通ったのか俄かに信じられないことだが、当局である中央卸売市場長(局長級)が謝罪し、今後のコンプライアンスについて説明しなければならない。ただし、いたずらに不安だけを煽らないこと、来年1月に2年間のモニタリング期間が終了する。それまでに9回のモニタリングがありすでに7回が終了したが7回とも汚染は不検出だったから。むしろ遡上にあげなければならないのは高騰した建設工事の入札の透明化だ。日建設計の説明も必要だ。築地市場解体の落札業者は旧国立解体の落札と同じ会社である事実も気になる。今まで指摘されているように、
①移転延長には莫大なコストがかかる
②そもそも築地の方が土壌は汚染されている
どちらもそれなりに頷ける意見です。特に②について築地を「ちゃんと調べたら」、当時の東京の埋め立て状況から考えて、「結構まずそう」な気がします。
ただ築地も汚染されてそうだからといって、豊洲の汚染対策をしなくても良いわけはありません。
今回の問題が明らかになったことで、撤退でもなく早期移転でもなく「延長」を選択したのは、結構いい選択だったんじゃないかと思うようになりました。
++と--の選択肢を比べるのではなく、どっちもマイナス面があるけど、どっちのマイナスが「よりマシか」という選択をする訓練は今後様々な分野で必要になる気がします。この東京都による不正確な説明は、築地市場の豊洲移転に向けて努力してきたすべての関係者と、消極的ながらも「移転やむなし」として容認・協力してきた多くの方々に負の影響を与えるものであり、私自身も強い憤りを隠すことはできません。
ちなみに同じく都の資料である「地下水管理システムに関する説明資料(技術会議資料)」では、建屋の下には盛り土が描かれておらず、実態に近いものにきちんとなっています。
都職員の、少なくとも技術者レベルでは間違いなく共有されていたはずの事実が、なぜ重要な広報レベルで歪んでしまったのか。この責任の所在は明確にし、徹底した再発防止に努めなければなりません。
この辺りの話、ブログにもまとめましたので、よろしければぜひご一読ください。
なぜ不正確な報告・情報公開がまかり通ってきたのか?東京都のガバナンスは全面的な見直しを http://otokitashun.com/blog/daily/12654/