[東京 9日 ロイター] - NTTドコモ<9437.T>とKDDI(au)<9433.T>、ソフトバンクの3社は米アップル<AAPL.O>の新型スマートフォン「iPhone(アイフォーン)7」の販売価格を発表した。

もっとも安いモデルは、他社からの乗り換え(MNP)で3社とも実質1万円程度となる。16日に発売する。

32ギガバイトモデルは、ソフトバンクとauが新規とMNPで実質1万0800円、機種変更で同2万0520円。これに対してドコモは新規とMNP、機種変更を1本化し、同2万6568円とした。

ドコモは料金体系を1本化する代わりにキャンペーンで差をつけており、MNPは「ドコモにチェンジ割」などを組み合わせると同1万0368円と3社の中で最安となる。

3社は端末価格を通信料金から大幅に割り引く販売手法を採用しており、ユーザーは実質的にかなり安い価格で最新のスマホを購入できる。ただ、これだと端末の購入補助をする体力のないMVNO(仮想移動体通信事業者)がまともに競争できないため、公正取引委員会は8月、競争政策の観点から「見直しが望ましい」と改善を迫っている。

<大容量データ定額競争>

iPhone7の発売を前に、大容量データ定額プランで競争が勃発している。ソフトバンクは「ギガモンスター」を新設、20ギガを現在の半額以下となる月6000円に引き下げた。

これに即座に反応したのがauだ。「スーパーデジラ」を新設、ソフトバンクと同じ価格に設定した上で、ソフトバンクが月5ギガまでとしていた余ったデータ容量の翌月への繰り越しを「すべて」にして差別化を図った。

ただソフトバンクはすぐに追随、いたちごっことなっている。ドコモも料金の見直しを検討しているが、まだ発表していない。

2社が大容量データ定額の大幅値下げに踏み切ったことで、MVNOを含めヘビーユーザーの奪い合いが始まる可能性がある。

(志田義寧)