[東京 9日 ロイター] - 日産自動車<7201.T>が予定している自動車部品メーカー、カルソニックカンセイ<7248.T>株式の売却について、米プライベート・エクイティ・ファンドのべイン・キャピタル、コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)<KKR.N>、MBKなど少なくとも3社が2次入札に進む見通しになった。複数の関係筋が明らかにした。

2次入札は10月中旬にも実施される予定

日産はカルソニック株式の41%を保有しており、すべてを売却する予定。9日時点のカルソニックの時価総額は約2400億円。 入札を予定している各社は、日産の持ち分だけでなく、他の発行済み株式についてもすべて取得する意向を示している。

保有するカルソニック株について、当初、日産は一般事業会社への売却を検討していたが、有力な候補が見つからず、投資会社などによる入札を実施することを決めた。今後、一般事業会社が買い手候補に浮上するかどうかは現時点で不透明だが、「最終入札に向けて札を入れてくる可能性はある。(事業会社が)ファンドと組むことも考えられる」(関係筋)との指摘もある。

日産は株式売却で得た資金を電気自動車(EV)や人工知能(AI)、自動運転の研究開発や他社との提携などに投資する方針。

カルソニックの説明資料によると、同社の売上高の約84%が日産向け(15年度末時点)。カルソニックは日産の保有株式売却により、同社依存から脱却し、他社との提携や新規市場の開拓を通じて規模拡大を目指す。また、製品ごとの寡占が進んでいる自動車部品分野での競争力を高めるため、熱交換器やエアコンなど得意分野でのシェア向上も図る考えだ。

今回の日産保有株売却のファイナンシャル・アドバイザー(FA)はバンクオブアメリカ・メリルリンチが務めている。

(佐藤和香子、藤田淳子 取材協力:江本恵美、白木真紀 編集:北松克朗)