産婦人科と産科、最少更新 厚労省調査、25年連続減
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注目のコメント
リスクが低くく、スケジュールが読めて、仕事としてそれなりに面白そうな診療科が研修医には人気です。ワークライフバランス(?)を考えれば、それはある意味当然と言えば当然です。
ただ、私が研修医に進路の件でよく話すのは、消化器系、循環器系、脳神経系、生殖器系、精神系などなど、医学部で学び研修医として経験してきたことから、自分がどの生理学的系統を好きだと思うのか、その気持に素直になって将来専門とする診療科を選んだ方がいいよ、と話しています。それは、医師はその生理学的系統を生涯勉強し続けなければならないからです。
ところが、現実はワーク/ライフのバランスがあまりに悪いと、興味はあるけどさすがに選べない、というところでしょうか。
猫286先生も指摘されていますが、志ある医師の善意で成り立つ診療科の医師は忙しすぎて心が荒み、ワークライフバランスの良い診療科の医師は学年が上がるにつれもともと生理学的興味がそれほどないからバランスは次第に「ライフ」に傾き「ワーク」が疎かになっていく…。これではどの診療科も悪循環で、「医療の主役は患者さん」なんて言葉だけが浮いているように感じてしまいます。
【追記】
それでも、産婦人科や小児科に進む医師はそれなりにいて、彼らは学生時代から産婦人科・小児科に進もうと思っていることが多いと感じます。ワークライフバランスよりも興味を持てたことを優先した結果だと思います。私自身も学生時代の興味は循環器系にありましたが、いろいろ考えてしまい初めは救急を選択しました(そして、その後に「転科」と言って専門を変えて勉強し直しました)。
現在、自分もワークライフバランスの悪いまっただ中にいる気がしますが、給与・待遇格差が付けば満足するのかと言えば、悪くはないけど、と言ったところでしょうか。
ちなみに、病院というところは診療科収入とその診療科の医師の給与はリンクしないのが普通です。ですので、例えばある診療科が他の診療科の10倍収入が多くても給与は全科同じ基準の年功序列で、診療科によって違うのは多少色が付く程度、というのが普通だと思います。
つまり、保険点数で差をつけたり、別の形でインセンティブを病院に与えてもそれが直接、診療科の医師の給与・待遇に反映されることは日本ではこれまで通常見受けられていないと思われます。。。
ちょっと、踏み込み過ぎてしまった気が…。産婦人科は、ほぼ唯一、おめでとう、と心から言える診療科です。やりがいもあります。昼夜問わずのお産で頭おかしくなりそうになることもありますが。
お産は病気ではありませんが命がけのものである、ということを、出来れば全妊婦さん、そのご家族が認識してもらえると、非常に助かります。
それから蛇足ですが、脳性麻痺の9割近くは分娩時の出来事と相関がありません。胎児の遺伝的素因や、分娩前に起こった障害に起因します。独り言です。実は院内でも、診療科による忙しさ、待遇の不公平感は結構あります。忙しいからと言って、報酬はそこまで大きくは変わらないので、暇な科の方がいいと考えるのが普通でしょうね。
それでも私は仕事が面白いので外科が好きですが、ときどき燃えつきそうになります。産婦人科の先生も同じ気持ちの人が多いと思います。ある意味、その気持ちに頼って成り立っているのが日本の医療です。そろそろ本気で考えないと、いつまでも手厚い治療は望めなくなると思います。。