【細野豪志✕真山仁】シン・ゴジラで斬る、政治家と原発、安保(前編)

2016/9/11
映画「シン・ゴジラ」が、政治の現場を徹底的にリアルに描いたのは、これまで特集で紹介してきた通り。最終回では、2011年3月11日の東日本大震災時に、首相補佐官として官邸に務め、その福島第一原発事故の対応に当たった衆議院議員の細野豪志氏と、人気シリーズ「ハゲタカ」などで、原発や震災もテーマに扱ってきた小説家の真山仁氏の対談を、前後編の2回に分けてお届けする。

※この記事は映画「シン・ゴジラ」の内容に関する描写を含んでいます
これは「あ、やられたな」と
――本日はよろしくお願い致します。
細野  ご無沙汰しています。このような不甲斐ない私と対談してもらえて(笑)
真山  代表選に、立候補してくれていると思っていたのに(笑)。まぁ、これは本題じゃないな。
——まず、月並みですが、「シン・ゴジラ」を観て、どう思われましたか。
真山 私からすれば、嫉妬する映画なんですよ。よくぞエンタメで、こういうのが作れたな、と。なんか言われたら堂々と「怪獣映画ですから」って言える構造ですよね。
後、ウルトラマンのようなヒーローが出てこないですよね。ああいう事態に人間が何とか対処しないといけない点も重要です。
普通だと、「怪獣映画」であって、大人は見ないわけです。特に、最近のエンタメは、創造力を喚起するのが少ないですから。「あれは、こうだ」と、全部説明しちゃうんですよ。
その点、シン・ゴジラは説明しない。見ている人のリテラシーを引っ張っていく。だから、大人たちが喜ぶわけですよ。
真山仁(まやま・じん)
1962年、大阪府生まれ。同志社大学法学部政治学科卒業。新聞記者、フリーライターを経て、2004年に企業買収の壮絶な舞台裏を描いた『ハゲタカ』でデビュー。2007年ハゲタカを原作としたNHK土曜ドラマが大きな話題に。他の著作に『マグマ』『ベイジン』『レッドゾーン』『コラプティオ』『売国』など。
例えば、官邸の中がどうかだとか、巨大不明生物特設対策本部をどう作るかとか、そのリアリティがすごいとか、そういう騒ぎによって、一般の人が「何であんな騒いでいるの」という流れに持っていけるのは、私なんかがずっとやりたかったことで。
終わってしばらく、「あ、やられた」と。
細野 人によってどこを見るか、ずいぶん変わる映画ですよね。
私は2回観ましたもん。1回目は筋を追って、政治家の生き方、タイプを見ました。2回目は、それぞれ、場面ごとに自分なりに考える見方をしましたね。
官邸の部屋とか、ものすごいリアルなんですよ。総理を囲む部屋の席の数、カバーの色、薄い青みたいな色、ソファの質感まで、そっくりです。
総理の部屋の隣の待合室の壁にかかっている字まで似ている(笑)。どうやってあれ再現したのか。
真山  相当多くの人が手伝ったんでしょうね。
ーーやはり、いろんな方が様々な見方をしていくんですね。
細野 マニアックな話ですけれど、防災服は省庁ごとに違うことも再現されている。防衛省は黒いし、環境省はオレンジが入っているんですね。
さらに、リアルな話としては、環境大臣の役は、俳優の横光(克彦)さんが演じているんですね。彼は、私が環境大臣のときは現実に副大臣を務めていました(笑)。東日本大震災より後ではありましたが。
細野豪志(ほその・ごうし)
1971年生まれ、滋賀県出身。京都大学法学部卒業後、三和総合研究所を経て、2000年の第42回衆院選に民主党公認で出馬し、初当選。民主党時代は、原発事故事故収束担当大臣、環境大臣、民主党政調会長、幹事長などを歴任した。
そこまで非常にリアルに描かれている。中にいた人間だから感じる部分がありますよね。あそこまで凝っても、一般の人は分からないだろうな、とも思いましたが(笑)。