「3つの傲慢」が日本のFinTech普及を阻む
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痛烈な指摘ですが、「スタートアップを業者扱いする」など、金融機関に限らず、大手企業とスタートアップとのやりとりのあるあるネタです。
大企業との接触の機会があると、スタートアップ側は提携や資本調達を期待して浮き足立ってしまうものです。実際、そうした取り組みが事業を大きく前進させることもありますが、散々ヒアリングや資料作成で時間を費やすだけ費やして、何も起こらないなんてことも珍しくありません。
スタートアップの側にしてみれば、1ヶ月や2ヶ月の遅れが命取りになることもあるわけですが、こうした時間感覚が共有されていないと、悲惨なことになります。
日本のスタートアップに対してもそうですが、特にアジェンダもないまま興味本位でシリコンバレーのスタートアップを訪問しようとするのも、やめた方がいいと思います。意味もなく時間を取られたら、そりゃ迷惑ですよ。いわゆる「伝統的な大手企業」の中でも、金融業界は特に保守的な文化/構造をもつ。
旧来の思考に囚われ未来に適応できずにいるのは経営層の弱さとも思うが、一方でそのようなガチガチの思考を後押し・管理してきたのは国でもある。
残念ながら、規制産業において「未知の領域に挑戦する姿勢」「自己変革する文化」は育たない。
ここにきてようやく国が金融業界の変革に乗り出しているのは評価すべきではあるが、従来スキームの中で既存プレイヤーの尻を叩くのではなく、規制緩和を主軸として新規プレイヤーの参入を後押しする方が変革手法としては筋が良い気がする。
変革とは、本気で「現状を変えたい/変えねば」という志・使命感をもった人々にしか成し遂げられない。日本の場合、大手金融機関の取組がカギを握る。ただ、ここに書かれているような不整合は想像に難くない。誰にこの新事業を任せるか、金融機関の人事問題だと思う。