【松本勝】企業で“イノベーション人材”が求められている理由

2017/4/6
NewsPicksは、J-WAVE「STEP ONE」(毎週月~木 9:00~13:00)と連携した企画「PICK ONE」(毎週月~木 11:10~11:20)を、4月3日からスタートしました。
同番組のコーナーPICK ONEでは、月曜日から木曜日まで、それぞれ「テクノロジー・サイエンス」「ビジネス」「政治・経済」「キャリア」と、日替わりで4つのテーマを扱い、各分野のプロピッカーらが気になるニュースやトピックスを未来へつながる視点で読み解きます。
ナビゲーターはサッシャさん、アシスタントはsugar meの寺岡歩美さんが務めます。
5日は、VISITS WORKS代表の松本勝さんが出演。「大手企業の『採用したい人材』はこう変わった」(東洋経済オンライン)を題材に、今後求められる人材や社会の変化について解説しました。
企業が求める人材の変化
サッシャ 未来を歩く羅針盤「PICK ONE」。200万ユーザーが使っている経済ニュースアプリ「NewsPicks」とコラボレーションしまして、未来を読み解くヒントになるような話題をチョイス。
今日は、「大手企業の『採用したい人材』はこう変わった」というトピックにフォーカスです。
寺岡 解説してくださるのは、NewsPicksの公式コメンテーター「プロピッカー」である、松本勝さんです。
松本さんは人工知能を用いた投資ファンドの設立などを経て、現在はVISITS WORKSの代表として、最前線で活躍する社会人と大学生をつなぐSNSを提供していらっしゃいます。よろしくお願いします。
松本 よろしくお願いします。
サッシャ 新社会人は4月から新たな生活がスタートしました。ということは、次なる就職活動が激化してきますね。
そもそも、大手企業で求める人材は、過去から変化してきているのでしょうか。
松本 その点はかなり変化していますね。
サッシャ どのように?
松本 これまで、大企業のライフサイクルは30年ほどで動いていたので、「会社に必要な人材」は決まっていました。
しかし、いまでは技術革新がどんどん早くなって、翌年には全く違うビジネスをしなくてはいけないようになっています。
そのため、特定のビジネスに特化した人材を採用しすぎると、次のビジネスに転換ができないため、多様な人材が求められています。
寺岡 サイクルが早くなっているんですね。
サッシャ そうすると、会社が10年くらいかけてプロを育て上げるような環境ではないと。
松本 残念ながら、どんどんその期間は短くなっていますね。
イノベーション人材の必要性
サッシャ では、どういう人材が必要なんですか?
松本 一言で言うと、「イノベーション人材」になります。
簡単にご説明させていただくと、いわゆるゼロからイチ、新しいアイデアをつくれる人材ですね。
外部環境が変わると、新規事業を立ち上げなければいけないので、新しいことをクリエイティブに考えられる能力が必要になります。
サッシャ なるほど。でも、過去の日本の企業風土では、枠組みの中できちんと仕事をする人が求められていた気がします。
そのため、イノベーター的な発想があると「出る杭だ」と思われてしまうところがあった気がしますけれど。
松本 実際にありましたし、今でもまだ一部の企業では残っていると思います。
ただ、終身雇用の時代では組織に最適化すればよかったのですが、これからは会社自体も何をやるのか分かりません。
そのなかでは、新しいことを始めなきゃいけないときに、新しいことを生み出せる力がないと会社が死んでしまいます。だから、危機意識はかなり生まれてきています。
サッシャ 特に、どのような業種がイノベーション人材を必要としているんですか?
松本 やはり一番わかりやすいのはメーカーですね。
たとえば、海外ではグーグルやアップルが毎年新製品を出していますが、そのときに今までと同じものだけをつくっていてもすぐに売れなくなってしまいます。
もっと新しい価値を持った製品を出さなければいけないですし、それができる人材を育てないと国際競争力が持てなくなってきています。
サッシャ 間に合うかなあ。
松本 頑張るしかないのですが、近年はメーカーだけでなく銀行などでも、新規事業開発室やイノベーション推進室を設けています。専門部隊を立ち上げたり、人材を集めたりして、力を入れていますね。
AIは働き方をどう変えるか
寺岡 先ほど、ゼロからイチについてお話しされていましたが、単純作業に関してはAIに移っていく可能性はあるんですか。
松本 はい。実際、AIに取って代わられるのは単純作業です。ベンチャー企業界隈では、単純作業において、かなりオートメーション化が進んでいます。
その一方で、イノベーターと呼ばれるゼロからイチをつくれる人間は、AIに取って代わられないんです。
というのも、AIはできることと、できないことが決まっているからです。目的を与えて、それを効率化することに関しては、めちゃくちゃ早いので、人間は絶対に勝てません。
でも、現時点のAIでは、たとえば人を見て「ここが困っているな」「これが必要なのかな」と考えることはできません。ですから、そういうことを考え、形にできる人は生き残れます。
寺岡 だからこその、イノベーターなんですね。
サッシャ なるほど。そう考えると、今から就活する学生や就職して1~2年目の方は、これから10~20年後、何を見据えて働けばいいですか。
松本 イノベーターというと難しく感じますが、ゼロからイチをつくれる人に必要なことは「目的をちゃんと意識して働けるか」なんですよ。
言われたことをうのみにして、何も考えずに働く人は“作業者”なので、AIに取って代わられます。
だから、上司に指示されても「何でこれをやるのだろう」「だったら、こうしたほうがいいんじゃないか」と自分の頭で考えられる人間だけが生き残っていきます。
“働かない時代”は到来するか
今後に関して言えば、ちょっと面白い話として、そもそも「働きたいのか」という問題もあります。20年後、ほとんどの人は働かなくていいと思います。
サッシャ ええっ。それはベーシックインカムが導入されるとか、そういうことですか?
松本 そういうことです。分かりやすく言うと、近年は自動運転が出てきましたよね。
今までは場所を移動するのに運転をしなければいけませんでしたが、自動運転になったら運転をしなくていい。運転をしたい人だけがドライビングをする時代になります。
仕事もほとんどがAIに代替されたら、仕事を楽しむ人だけがすればいいので、それ以外の人は仕事をしなくていいんです。
寺岡 ええっ。
サッシャ 仕事をしない者食うべからず的な……正しい言い方忘れましたけれど。
寺岡 働かざる者(笑)。
サッシャ それ! ありがとう(笑)。
松本 そういうことになると思います。100年後から今を考えると、「100年前の人って、毎日働いていたらしいよ」「頭おかしいんじゃない」と言われる時代になるんじゃないかと思います。
サッシャ 早く生まれすぎたなあ。
寺岡 生まれる時代が違ったかも。
松本 実際、20年後くらいには、1割くらいの人しか働いていないだろうという研究結果もあります。
寺岡 どうなっちゃうんだろう。
サッシャ 共産主義化みたいな感じになるんですかね。
松本 AIになって生産性が上がり、ベーシックインカムで最低限の給料が支払われるようになれば、「残りの余暇を使って何で遊べるか」ということになるんですね。
ただ、実はこれが結構大きな問題だと思っています。
どういうことかというと、私はAI化が進むと「空いている時間に何をするんだろう」「することがない」と感じで、自殺する人も増えてしまうと思っているんです。遊ぶにしても、自分で目的をつくることが必要になりますから。
サッシャ ものすごい極論ですね。本当ですか?
松本 これは私の個人的な意見ですけれど。
寺岡 仕事をしないことも、また問題ですね。
サッシャ いやあ、頑張って生きて行こう。
寺岡 人材からこんなお話にまで。
サッシャ まさかね。すごい。ということで、松本さん、問題提起も含めて、ありがとうございました。
松本 ありがとうございました。
※本記事は放送をもとに再構成しています。
また、今回のニュースをはじめとした松本さんのコメントは、ぜひ以下からチェックしてみてください。
来週4月10日は、窪田新之助さんが出演予定です。こちらも合わせてお楽しみください。

【番組概要】
放送局: J-WAVE 81.3FM
番組タイトル: PICK ONE
ナビゲーター: サッシャ、寺岡歩美(sugar me)
放送日時: 毎週月~木曜日11:00~11:20(ワイドプログラム『STEP ONE』内)
番組WEBサイトはこちらをご覧ください。
(構成:菅原聖司)