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【2016年8月度】「プロピッカーが選ぶ注目ニュース」vol.02

2016/8/30

プロピッカーが“直近の1か月間で最も注目すべき記事”をピックアップする企画「プロピッカーが選ぶ注目ニュース」をスタートします。

本企画では、記事のPick数に関係なく、各プロピッカーに自身の専門性や関心の観点から、記事を選んでいただきました。

果たして、プロピッカーが注目したニュースとは。そして、そのポイントとは。今回はvol.02です。

【2016年8月度】「プロピッカーが選ぶ注目ニュース」vol.01

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選択した記事

The new political divide(The Economist)

元のコメント

今や世界での最も深刻な政治的対立は右対左でなく、オープンかクローズドかであるとの指摘。確かにブレグジットもトランプ氏もこれで説明したほうがしっくりくる。

選択した理由

常にリベラル対保守、左翼対右翼という軸で描かれがちな政治的ポジションにおける対立において、オープン対クローズド(排外主義)というのは確かに現在の世界を表すのに最も適した軸であると思うため。

Brexitもル・ペンの躍進もメルケルの苦労もトランプ人気も全てこの軸で語ったほうが分かりやすい。

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選択した記事

GE: 今後採用する全社員に対してプログラミング能力を義務付け・採用職種に関わりなく(businessnewsline )

元のコメント

GEの変革に向けたイメルト氏の本気が伺えます。

ビジネスにおいて、もはやITやインターネットを活用しないことは、明治維新の時代に鉄砲に刀で立ち向かうことに等しいのだと思う。

業界における勢力図も、どの会社がどれくらいエンジニアを抱えているかに影響されると思う。

IoTやAIによって、そういった法則が今よりもっと多くの業界に当てはまるようになるし、人材業界も例外ではないと思う。

そんな中でプログラミングが分かれば、エンジニアのリクルーティングやマネジメントのみならず、色々と有効なはず。

選択した理由

すべての産業がIoTやAIによって大きな変化を迎えることを象徴する記事。経営者育成という人事施策によって永続的な優位性を築いてきたGEは、次はプログラミング教育により更なる優位性を手に入れるのか?

いずれにしろ、イメルトがビジネスのやり方を本気で変えようとしているのは間違いない。

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選択した記事

「子どもがほしくない自分はおかしいの?」と悩んでいる女性へ(ウートピ)

元のコメント

わたしも、もともと子どもが特別好きだったわけではないし、子どもというだけで無条件に可愛いという人たちの気持ちは、いまだに分かりきれないところもある。

一方で、manmaをはじめて、毎日のように子供たちと会うようになって、一人の人間として、この子好きだなぁ!と思う子に沢山沢山出会ったり色んな親御さんの話を聞く中で、子供を持つことって、他では得られない唯一無二の愛おしい経験なんだと思うようになった。

家族留学に参加した学生の中にも、子どもは苦手だと思っていたけれど、会ってみて「はじめて子どもが可愛い、欲しいかもしれないと思いました」という感想を残した人も多い。

子どもが好きか嫌いかは人それぞれでもちろんいいし、子どもをみたら女の子たちが無条件に可愛いと言わなきゃいけない同調圧力は確かに存在していて、時々窮屈なのもわかる。

ただ、子どもに触れる機会がないゆえに、そう思っているなら非常にもったいないし、そういう人たちに、自然に子どもたちに出会えるチャンスを届けたいと思う。

選択した理由

日本経済の発展のため、女性の労働力としての活用や、人口増加を含めた女性活躍が唱えられていますが、実際の女性たちの反発や、違和感を日々感じます。

先日、朝日新聞の記事でも「誰のために産むのか?」というテーマで記事が書かれていましたが、女性の中には「国のために産まされているのではない」という反発や葛藤を感じている方も多くいるように思います。

経済を主要テーマとして扱うメディアだからこそ、経済の発展のためには人口増加が求められるという前提はもちろんですが、「理論上ではわかっていても、上手くはいかない実際の女性たち」の生の声を拾い上げていくことで、より社会のリアルに寄り添えるのではないかと感じ、この記事を選ばせていただきました。

若輩者の意見で恐縮ですが、参考になりましたら嬉しく思います。 引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

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選択した記事

「学び直し」しない日本の会社員人生は危ない(東洋経済オンライン)

元のコメント

2015年の英国エコノミストで、ここ10年間で欧米では社内ビジネススクールが急激に増えてきており、欧米のビジネススクールを脅かしているという内容の記事がありました。日本企業も、「投資」の範疇に、「人材育成投資」を確保すべきだと思います。

選択した理由

人生を通じて、自己への投資を続けなければ、ビジネスマンは生き残れないと考えるのが理由。

この変化がますます激しくなるビジネスマン人生において、意識して自らが貪欲に新しいことを学ぶ意識を持たないと、ビジネスマンとして生き残れないし、人材市場での価値はどんどん減耗していく。

私は、大学の学部ゼミ以降の指導者に感謝している。学部ゼミ時代には「大学は知識を教えるところではない。学び方を教えるところだ。そして、学ぶということは人生での自由の幅を拡げることに繋がる」と教えられた。

米国MBAコースでは、「(同様に)ここは知識を覚えるところではない。今後、新たな未知のことに遭遇したときの問題解決のための調査方法、問題解決方法を学ぶところだ。知識など、教えた瞬間から陳腐化する。したがって、教科書に書かれていることは既に陳腐化が始まっている。MBAコースでは、できるだけ最新の題材を使用することを目的として、最新論文等をプリントにして教材とする」と教えられた。

また、学部卒で入社したグローバル製造コングロマリットでは、入社式で配布された新入社員一覧を見ると、東大、京大、東工大、一橋大、早稲田大、慶応大がほとんどでびっくり。特にエンジニアたちは修士以上が大多数。こんなところで生き残っていけるのかなと不安に思っていたら、経営トップの挨拶でその不安は吹っ飛んだ。

曰く、「君たちが大学や大学院で過ごした年数は、これからの長い人生においては、ごくごく短期間でしかない。大学名や専攻など気にせず、今後の遥かに長い人生で、毎日、自らの挑戦の仕方で、君たちの人生はいかようにでも変わる。毎日、壁にぶつかって、その壁をぶち破り続けていってもらいたい」

人生での「幸福」の感じ方は人それぞれだが、私は上記のことを常に念頭において、貪欲にあたらしいことを読書、経験を通じて学び続け、今までそれなりに充実した人生を送ってきたと自分では思っている。大学学部ゼミ以降の指導者に感謝である。

現在では、インターネットで大学の授業を受けられる時代。また、様々なセミナーも開催されている。勉強する場は、何も大学に限られてはいない。自分への投資を継続して、グローバルな人材市場での人材価値を高める努力を続けなければ、やがて、働くないしは自己実現する場を失ってしまうであろう。

 sinbou

選択した記事

働き方改革、成長重視の姿勢示せるか 議論始動へ(日本経済新聞)

元のコメント

日本の雇用の枠組みが、核になる正社員と周囲の非正規雇用者との二重構造になっていて、増加する非正規雇用者の処遇が見劣りするのは確かです。このままで良いはずがありません。

ただ、この枠組みの根っこには、会社の「メンバー」として「仕事も時間も勤務地も会社の命に応じて働くかわりに職業人生を年功賃金で保障される正社員」を中心とした仕事の進め方があることも、承知しておく必要がありそうです。

新卒入社直後の正社員は、生産効率以上の給料で育成される。一人前の若手・中堅になってから中年を迎えるくらいまで、今度は生産効率より少なめの給料で会社の命に応じて働く会社にとっての回収期間。そして最後は退職金を含め、生産効率以上の給料を受け取って定年退職に備える期間。回収期間にある若手中堅が高齢者よりも多かった高度成長時代には、この仕組みで総人件費が生産効率に比べて下がります。

「カイゼン」や「擦り合わせ」による連続的なイノベーションが事業を成功に導く鍵だった時代には、年功序列で社内共通のノウハウを修得した正社員が有用でもありました。

ところが今や時代が変わり、高処遇の高齢者が回収期間の中堅・若手の社員の人数を上回る。当然、生産効率以上に人件費が上がります。自らブレークスルーするイノベーションが重要な時代になると、均質化した正社員の必要性自体も下がってしまう。

正規・非正規の二重構造と、非正規雇用者の増加・低処遇の背景には、世界の先進国入りを果たして成長率が落ちた日本の経済構造の変化があるのです。解雇の金銭解決やホワイトカラー・エグゼンプションは、その構造変化に雇用の面で対応する手段。非正規雇用の処遇を正規雇用に近づけるには、日本経済の構造変化に合わせた全体的な制度見直しが必要です。

その究極の姿が雇用の流動性に支えられた本当の意味の「同一労働同一賃金」。そこまで覚悟を決めないと、日本の産業空洞化を更に進める結果になりかねません。安定した政権であればこそ耳触りの良い部分の摘み食いに終始せず、正規も非正規もなく皆がイキイキ働ける将来に向け、抜本的な見直しをして頂きたいと願うこのごろです。

選択した理由

伝統的な日本型雇用の本質は、男性正社員を中心にしたメンバーシップ制。仕事も時間も働く場所も企業が命じるところに従う代わりに、年功序列で定年まで家族を含めた生活の安定が保証される仕組みです。

子育て・家・若者の職業訓練といった社会保障にかかわる部分も、企業が面倒を見る形で社会システムも構築されています。年功に応じて賃金が決まるので、どういう仕事と役割を果たせば幾らの報酬かが会社にも従業員にも分からない。

非正規雇用の増大、長時間労働、短時間労働や在宅勤務といった柔軟な職務設定の難しさ、ひいては女性労働力や高齢者が活用できないといった問題は、高度成長期に企業にとっても国民にとっても都合が良かった特殊なシステムが、低成長と少子高齢化の中で制度疲労を起こしたことに由来します。

一方、諸外国の一般的な雇用制度はジョブ(仕事と役割)の重視です。仕事・役割と報酬の関係が明確ですから自然と同一労働同一賃金が成り立ち、仕事と報酬の関係が明確ですから、柔軟な働き方の設計も容易にできる。高度成長時代が終わって主な先進国と同じ経済環境に置かれた以上、高度成長を前提にした日本型雇用は変えて行かざるを得ないのが現実です。

しかし、記事が示唆する方向は、仕事・役割重視で雇用の流動化を図る改革には目をつぶり、企業の負担で雇用の安定と現役世代の生活安定を求めるばかり。保護と引き換えに企業に負担を強いる雇用保障から、個人を直接守ってキャリアの自律を保障する意志を感じません。これでは本質的な問題解決にはなりません。

企業は表立って反対しないでしょうが、日本を脱出できる企業が静かに生産を海外に移していくことは必至です。雇用規制の在り方は我が国のビジネス環境を競争力のあるものに変え、潜在成長力を取り戻す要のひとつ。注目を要する動きだと考えます。

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選択した記事

日露平和条約交渉を26日にモスクワで開催、安倍・プーチン会談へ地ならし ロシア報道(産経ニュース)

元のコメント

ついに平和条約交渉が始まる。年末のプーチン訪日では領土問題にも何らかの進展があるかどうか注目されます。

平和条約交渉を始めるということは、2島先行方式で日露に合意が成立した可能性がありますね。

選択した理由

安倍首相の訪露とプーチン大統領の訪日を前に、日露関係に関する動きが何かと活発化してきました。 日露関係の大転換点になる話であるため、このニュースを選ばせていただきました。

ちなみに安倍首相の訪露は9/2で、食事込みで3-4時間の首脳会談の時間が確保されているとのこと。記事通りに8/26から平和条約交渉が開始されましたが、首脳会談でもなんらかの突っ込んだやりとりがあるかもしれません。

(写真:iStock.com/goir)