中国の不良債権は「190兆円」 日本総研が試算、発表の10倍 金融危機の恐れ
コメント
注目のコメント
経過観察論点なので過去出ている色々な数字も含めてまとめてみる。まず190兆円(12.5兆元)が不良債権残高という結論の分析で、それは借入金の8.6%分ということで、借入総額は2200兆円(145兆元)となる。
まず債務総額については、①のMcKの分析だと2014年6月時点で28.2兆ドル、当時100円/ドル、6.2元/ドルなので、約2800兆円(175兆元)とMcKの推定は少しこれより大きい(おまけに時間として前)。うち、債務の内訳としては12.5兆ドル(45%、77.5兆元)が非金融法人で、Kenjiさんもコメントされているようにいわゆるシャドーバンク(全部が悪いわけではない、リースなどが入っている)。一方②の2016年6月のMoody'sの分析では、2015年時点でシャドーバンクが53兆元とそれより少し少ない推定がある。
不良債権については③でPickしたが、一部のアナリストは5兆ドルを超える不良債権があると推定している。そこでコメントしたが、日本のバブル処理は、金融機関で100兆円、それ以外で200兆円程度だったと思うが、綺麗・明確な数字はたしかなかったと思う。また④ではCLSAが14兆元(約233兆円)という推定を出している。
まとめると、これまでのコンセンサスと大きく変わらず、融資総量が2500兆円前後、不良債権が200兆円前後で不良債権比率1割弱。ただ、広義の部分ではもっと広がる可能性があり、日本の事例や一部予想を踏まえると、500兆円前後になる可能性(不良債権比率2割)もあるといったところ。
①https://newspicks.com/news/1156285?ref=user_100438
②https://newspicks.com/news/1586604?ref=user_100438
③https://newspicks.com/news/1379379?ref=user_100438
④https://newspicks.com/news/1595132?ref=user_10043810倍、、、
日本総研の算出した不良債権比率8.6%というのはかなり苛烈な数値に見える一方で、荒唐無稽というほどの数字でも無いので困る。
中国銀行業監督管理委員会(銀監会)が2016年3月末に公表した統計によれば、中国の銀行が抱える不良債権総額は約1.4 兆元、貸出総額に占める不良債権比率は1.75%。不良債権は1.75%だが、日本でいう「要注意先」等まで視野に入れるとその割合は5.7%となる。
不良債権処理方法について銀監会はデットエクイティスワップ(DES)と資産担保証券(ABS)の活用を企図しているが、DESを実施したところで結局は対症療法に過ぎず、長期的に見れば銀行に負担が悪化するだけという結果に割ることも否定できない。企業の選別及び株主としての経営改善方法も論点となりうる。ABSを発行する際には、適切な情報開示とこれを担保する監督体制等が求められる。
一方で、銀行側も手を拱いて当該現状を嘆いているわけでは無い。これら不良債権をバルク債券として切り離してノンバンクに売り払い、ノンバンクはこれを「理財商品」として販売する。中国の国民は「元本保証8.5%」の金融商品として当該理財を購入する。実際のところ、不動産の次に中国国民が嗜好するのはこれらハイリターンの理財商品である。
中国企業のずさんな放漫経営と、金融機関のテキトーな与信管理のツケは、強欲な中国国民の同意の下分散して負担されている、というのが実態である。