【インフォグラフィック】人工知能の権威が説く、2045年の世界
2016/8/24
200万年前に大脳新皮質が拡張したとき、私たちはヒト科へと進化し、大きな前頭葉を発達させた。言語や芸術、科学や技術など思考の量が増えたことが、質的な飛躍を遂げることを可能にした要因だ。
次の数十年で私たちは再び大脳新皮質を拡張する。ただし、今度は限界なく拡張する。この量的な拡張はまたもや文化と技術に質的な飛躍をもたらすだろう。
当たり前のように使っているインターネットやスマートフォンを30年前に予測できただろうか? これから30年たてば予測もつかないことが現実になるだろう。「シンギュラリティ」は、人類の歴史を変える、非常に破壊的で世界的な変化を起こすイベントとなるーー。
レイ・カーツワイルが説く「シンギュラリティ」までの未来予測
2020年代 〜ナノボットが人間の脳を拡張〜
- 機械はインターネットを通じて人間と機械が合体した文明にあるすべての知識にアクセスし、その全てを習得する。
- 人間は自分の遺伝子を変化させる手段を持ち、身体の組織や臓器すべての若返りが実現可能に。
- ナノテクノロジーを用いて、ミクロン単位のロボット「ナノボット」が生まれる。ナノボットは生体のニューロンと相互作用して、神経系の内部からVRを作り出し、人間の体験を大幅に広げる。
- 仮想現実が本当の現実と区別がつかないほど高品質になる。
2030年代 〜精神転送の成功〜
- 精神転送が成功し、人間がソフトウェアベースになる。
- ナノボットは脳内に直接挿入できるようになり、仮想現実が外部機器を必要とせずに生成できる。
- 人間の日常生活のリアルタイム情報脳伝送を使用して、他人の感覚を「リモート体験」できるようになる。
- ナノテクノロジーは人の知性、記憶や人格の基礎を変え、人々は自分の脳内の神経接続を自由に変更できる。
2040年代 〜SFで見た世界が現実に〜
- 人々はマトリックスのように仮想現実で時間の大半を過ごすようになる。
- 「フォグレット」(人体をとりまくナノマシン群。人間の外見を自由に変化させる)が使用されている。
そして、シンギュラリティ到来
これ以降、技術開発はマシンによって引き継がれる。マシンが自己改善サイクルに入ると、技術の進歩はマシンの制御下で爆発的のため、正確に予測することはできない。
SF映画で見た世界は、もうあと30年もしないうちにやってくるかもしれない。
(インフォグラフィック:櫻田潤、企画:田村朋美)
*レイ・カーツワイル氏の講演「人工知能と人類の未来」は、9月28日(水)9:30〜11:45に開催。人工知能研究の最先端をいくカーツワイル氏の講演を日本で聴ける貴重な機会です。ネットにも本にも載っていない、新しい「未来」の情報を手に入れませんか。
参加は無料です(事前登録制)。詳細をこちらからご確認のうえ、お申し込みください(応募者多数の場合は、抽選とさせていただきます)。
*本講演はワークスアプリケーションズが主催するイベント「COMPANY Forum 2016」の一つのセッションです。「COMPANY Forum 2016」ではこのほか、アップルの元CEO、ジョン・スカリー氏、元大阪府知事の橋下徹氏などが登壇します。