「ネスカフェ アンバサダー」ヒットの陰に意外な心理

2016/8/15

コーヒー市場争奪戦

ネスレといえば「ネスカフェ」というくらいに、インスタントコーヒーの「ネスカフェ」ブランドは日本に浸透しました(注:ネスレ日本では2013年9月から「レギュラーソリュブルコーヒー」として販売)。
一方、コーヒー市場は、液体コーヒー、インスタントコーヒー、レギュラーコーヒーという種類による分け方と、家庭内と家庭外という飲まれる場所による捉え方がされていて、家庭外は道路沿いや会社の中などに多い自動販売機による缶コーヒー販売の割合が高く、インスタントコーヒーはもっぱら家庭内です。
「ネスカフェ」は家庭内が主な消費場でしたので、家庭外でのシェアを広げることを考えました。
その武器となったのが、1杯分ずつコーヒーをいれられるコーヒーマシンでした。
これは、大家族が減り、少人数や単身世帯が増えている状況に対し、一度に何杯分もまとめて作る従来のコーヒーメーカーは向いていないという点に着眼して、日本からリクエストをして、スイス本社が開発したものでした。
「ネスカフェ アンバサダー」は、このマシンを使って、オフィス市場へと入っていこうというアイデアです。