ウーバー完敗。加熱する米中の”ネット冷戦”
2016/08/13, NewsPicks編集部
第2回:ウーバー vs. 中国
ウーバー完敗。加熱する米中の“ネット冷戦”
2016/8/13
*連載目次
第1回:シリコンバレーを凌駕する、中国のモバイルビジネス
第2回:ウーバー完敗。加熱する米中の“ネット冷戦”
第3回:ウィーチャットも大苦戦。中国のネット企業は世界で勝てるか
カラニックの野望
米配車サービス大手「ウーバー」の共同設立者で最高経営責任者(CEO)のトラビス・カラニックは、中国市場で成功するために巨額の費用をつぎ込む理由をよくこう説明していた。
アマゾンとアリババの両方になれるチャンスがあるのなら、挑戦して当然だろう?
その言葉の意味は簡単だ。
過去数年、アマゾンやフェイスブック、グーグルなど米テクノロジー大手が同様の夢を追ってきた。米西海岸から出航した無敵艦隊のごとく、これらのテック企業は世界のすべての大陸に拠点を築こうとしたのだ。
しかし米大手企業が、世界最大のインターネット市場を誇る中国の海域に入ろうとすると、無敵艦隊は必ず暗礁に乗り上げた。
中国の不透明な規制や難解なビジネスの慣習に阻まれ、米企業は敗退していった。
中国では、グーグルではなく百度(バイドゥ)が、フェイスブックではなくウィーチャットが、アマゾンではなくアリババが市場を独占している。こうしてインターネットの世界は、中国とその他に二分された。
競争心が強く野心的な起業家として知られるカラニックは、そのような中国進出のリスクを覚悟したうえで、二分されたネット世界に橋を架けようと決意していたようだ。
彼は中国市場への挑戦をウーバーの中核ミッションと位置づけて巨額の費用をつぎ込み、新市場で成功する秘訣を探るために、中国滞在に多くの時間も費やした。
壮大な目標に見えたが、諦めるには惜しすぎるチャンスだった。アマゾンの時価総額は3650億ドル、アリババは2000億ドル。
配車サービスの市場規模もいつかEコマースと同等になるかもしれない。そうしたときに世界の市場を独占できれば素晴らしいではないか?
newspicks.com
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コメント
注目のコメント
中国政府が一貫していることは、程良く外資の参入を認めつつ、様々な規制をはって、それを頻繁に継続的に変更していくことで(業界で働く中国人でもついて行けないレベルで変わっていきます。)、外資にも儲けさせながら、最終的には中国企業が中国国内での業界トップとして成長することをサポートしていることだと思います。
そして規模が大きくなって潤沢で安定したキャッシュフローを得られるように成長した中国企業に、海外の同業界の企業のM&Aを促進して、世界的な企業へと育成していくのが目標と推測しています。
蛇足ながら、当方が働く製薬業界では、まだまだ日本大手の方が規模も時価総額も大きいですが、中国製薬企業の成長率は桁違いなため、あと5年もすればアジアトップ(日系製薬を超える)、そして10年もしない内にM&Aを駆使しながら世界大手に食い込む企業が出てくるのではと思っています。各種報道にあるように、Uberと滴滴(ディディ)の関係は、株式の持ち合い。また、筆者も北京の百度本社取材の際に確認したが、Uberと百度は「かなり近い関係」。一連の連携は、
中国政府が「熟慮したかたち」と思える。自動車OEMのケースのように、こうしたITベンチャーでも、外資出資比率MAX50%(=地場との合弁) という、事実上の「建付け」になっていくのかも?中国市場ってそんなに進出しづらいところなんだ。。
序盤の以下の記述見るとすぐに納得。
>中国では、グーグルではなく百度(バイドゥ)が、フェイスブックではなくウィーチャットが、アマゾンではなくアリババが市場を独占している。こうしてインターネットの世界は、中国とその他に二分された。
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