【スティグリッツ教授】共通通貨ユーロがEUを引き裂く
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ユーロとこれに伴う財政ルールは、結局のところ緊縮財政を強いるという点からインフレにはそれなりに対応できても、デフレには全く対応不能という構造的欠陥があると言わざるをえないですね。ユーロを立て直すのであれば、最適通貨圏理論から乖離するギリシャをはじめとした国をユーロから離脱させる、また残ったユーロ採用国は財政主権を委譲するなりして統一的な財政政策を可能にし、現況のようなデフレが懸念される状況下でECBによる金融政策と政策協調することができるようにする、といった措置が必要でしょう。ただ、これが現実に可能なのかというと極めて難しいかと。そう考えると遅かれ早かれユーロは維持できなくなる可能性が高いのではないかと思います。
そもそも、金融だけ一緒で財政が別々であることに無理がありますね。共通通貨で経済力がある国が恩恵を受ける一方で、経済力がない国が割を食って経済格差が拡大するのに財政規律を縛られているわけですから。経済力がある国が財政で支えてあげないと、経済力がない国は元も子もありません。
「ユーロを生かすための改革に必要なものは何か?」と問われたスティグリッツの回答(記事より抜粋)は、
「預金保険を備えた銀行同盟に、ユーロ債のようなもの。インフレだけでなく、雇用問題にも目配りする欧州中銀(ECB)。格差に対処する課税政策。そして各国政府の財政赤字の上限撤廃だ。」
基本的に同意ですが、特に問題なのは、1つの通貨に対して複数の金利が存在することだと思います。