日本のピケティが警告する「日本の世襲格差」

2016/8/4
世界中で拡大する格差。では、日本における格差はどの程度深刻なのか。どのような対策が必要なのか。日本の格差論の第一人者である、橘木俊詔・京都女子大学教授が“世襲格差”を軸に日本の問題点を斬る。

移民問題の本質は「格差」

昨年、フランスのトマ・ピケティが、『21世紀の資本』により、格差の拡大を実証し、世界に大きなインパクトを与えました。その後も、格差に対する関心は世界中で高まり続けています。
その証拠に、アメリカでは大統領候補として民主党のバーニー・サンダースが、ヒラリー・クリントンを脅かすほどの人気を得ました。サンダースが、特に若者からこれほどの支持を得たのは、アメリカですら格差を無視できない時代になっていることを示しています。