この連載について
世界中でエリートに対する大衆、中間層の反逆が始まっている。なぜエリートへの信頼がこれほど揺らいでいるのか。中間層は何に怒っているのか。今後、世界と日本は、エリートと中間層の対立が深刻化するのか。そして、今後求められるエリートとはどんな存在なのか。先進国社会の未来を探る。
この連載の記事一覧

【東浩紀×西田亮介】「民主主義=資本主義」の未来
NewsPicks編集部 491Picks

第3のガラガラポン革命で、究極の大衆社会がやってくる
NewsPicks編集部 294Picks

スライドストーリーで見る「格差と下克上の日本史」
NewsPicks編集部 411Picks

日本のピケティが警告する「日本の世襲格差」
NewsPicks編集部 396Picks

ハーバードで考える「日米エリート比較」と「エリートの未来」
NewsPicks編集部 411Picks

21世紀の対立軸は「コスモポリタニズムvs.ナショナリズム」
NewsPicks編集部 217Picks
エリートvs.中間層。新たな闘争が始まった
NewsPicks編集部 1164Picks
人口構造がプラミッド型であれば、自分たちより下の世代の方が人数が多いので黙っていても部下が増えて出世ができて賃金も上昇しました。
頑張る人も頑張らない人も、(下の世代の支えによって)それなりに収入が増えていったのでしょう。
ところが、今は下の世代が少なくなっている上、扶養すべき上の世代が増えています。
これでは自動的に収入が上がるシステムは維持できません。
現役世代の収入が増える要因がなくなっているだけでなく減少する要因まで加わるので、苦しくなるのは当然のことでしょう。
昔は、頑張らなくても裕福になった。
今は、頑張った人の中でも運のいい人だけが裕福になれる。
そして、お金持ちの家に生まれたラッキーな人の多くは裕福になれる。
という時代なのかもしれません。
特に欧米、というかアメリカ型の格差と日本型の格差の差が非常に考えさせられます。
アメリカは中間層が少なくなる一方、アッパー層とローヤー層はともに増え、国民が2分されているのが大きな問題。
日本はアッパー層が増えていないのに、貧困層が増えているという二分化ではなく、国民の貧困化が問題と見て取れます。
単に格差の拡大の一言だけでは、階級格差を煽り、政治的に利用しようとする人たちの餌食となるだけです。
その実態を正しくとらえ、考えるためにこうしたスライドはとても有効ですね。
正確には、カーブの傾き(角度)や決定係数(確からしさ)が時系列でどう変わってきたのかを見ないと、格差が受け継がれやすい世界になってきたのどうかは判別できません(無茶振りなのは分かってますが)。
せめて、1950年時点のグレートギャッツビー・カーブと2010年時点のものを並べるなどしないと、統計的にほとんど意味がないですね(バッサリ、福田さんゴメンね)。
ゆっくりと確実に格差が広がり、次の世代にさらに格差は広がる。さらには国全体も地盤沈下していますね。
ただし、この格差の広がりを明確な争点に掲げても選挙では落ちるでしょう。有権者かつ、投票者は高齢層ばかりなのです。
教育完全無償化のように、政府が強烈な格差是正策を取らない限り、問題解決はされないと思います。拡がる格差が低所得層の怨嗟の声を大きくしてポピュリストの台頭を許す。平和のためにも格差是正は本当に大切なこと。
僕は生まれたときの状態でその人の人生が決まっていく、可能性が制限される、といった状態は本当に嫌なので、どうぞ税率上げてくださいと思っています。日本の政治家や官僚の多くは献身的にされているので、この人たちにお金を預けることに全く否定的な思いがありません。
次世代に格差が伝わりにくい国として、北欧をグルーピングすることができますが、イノベーションの醸成や新しいアイディアを創造していく風土が教育の現場や社会にまで行き渡っているから、誰にでもチャンスがあるんだと理解しています。
たぶん、僕は嫌な話をしていると思うが、嫌な話から逃げて、教育ですと言ってたのが少し前の米国だったと思うし、それで格差が解決されたのだろうか。美しい話を語っても問題は解決しない。まぁ、教育の様な誰も反対しない美しい話でお茶を濁して、自らに降りかかる重税は巧妙に避けるのが持てる者のお作法ではあるが。
構造改革が格差を広げたとしばしば回顧される2000年から2005年にかけて、実際にはジニ計数が下がっている、つまり格差が縮まっているのは印象的です。
最近再び上昇気味なのは、定年退職で所得が激減した人が増えた影響もあるのでしょう。我が国の相対的貧困度の高さの裏に、定年で所得が無くなる必ずしも不幸ではない高齢者の存在があることも忘れることができません。
総じていえば、日本の所得格差はまだなんとか許容範囲かもしれないな、という気がしないでもありません。それより大きな問題は、一人当たり所得が急速に減って国民全体が貧しくなっていることにあるように思います。そうなると、実態以上に格差が意識されてしまうから。
非農林漁業部門の就業者に占める35歳以上の比率は1970年に50%、1985年に65%、2000年に64%、そして2010年が72%。年功序列、終身雇用に守られたまま増加する高齢層に高い給料を払うと、皺は若い人に寄りがちです。構造改革が格差を拡大したというのが錯覚なら、構造改革で一人当たり所得を高め、若い人に不利な日本的雇用慣行を改めていくことが必要ではないのかな。