(Bloomberg) -- 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は中長期的な株式投資収益の拡大を図るため、内外の関係者と二つの定期的な会合を新設する。国内企業と定期的に意見交換をする場を作る一方、外国株式の運用については海外の主要な公的年金基金から知見を吸収する機会を設ける。

28日付の発表資料によれば、GPIFは国内企業からの継続的な意見集約の場である「企業・アセットオーナーフォーラム」の第1回会合を9月に開き、年2回程度のペースで開催を続ける。初回はオムロンとエーザイ、日産自動車が幹事を務め、10社前後が参加。その後は他社の参加を受け入れる。参加企業名と議事内容などは非公開としている。

もう一つの「グローバル・アセットオーナーフォーラム」では、運用・組織改革などでGPIFが先行事例と位置づける海外の主要年金基金などと意見交換をし、外株運用でのスチュワードシップ責任の遂行向上につなげたい考えだ。全米最大の年金基金であるカリフォルニア州職員退職年金基金(カルパース)や同2位のカルフォルニア州教職員退職年金基金(カルスターズ)など10機関を含む約20機関を設立メンバーとし、徐々に拡大していく予定だ。

高橋則広理事長は報道資料の中で、2つのフォーラム設立が「被保険者に対するスチュワードシップ責任を果たすための様々な活動のレベルアップにつながり、インベストメントチェーンの最適化を通じて企業の持続的な成長と企業価値向上の実現に貢献することを期待している」とコメントした。GPIFは「保険料拠出者・運用会社・GPIFのWin-Win環境の構築」を目指すとしている。

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