【求人掲載】私たちの理想の働き方を、保育士さんと作りたい

2016/7/29
女性社員が約4割のワークスアプリケーションズでは、出産後の女性が復帰しやすく働きやすい環境を作るために、企業内託児スペース「WithKids」を開設する。なぜワークスが自社運営の託児スペースを作ろうと思ったのか、その背景についてCEOの牧野氏とプロジェクトメンバーに話を伺った。
ワークスアプリケーションズ 代表取締役CEO 牧野正幸

大切な社員だから、出産後も復帰してほしい

ワークスは、12月14日に自社で運営する企業内託児スペース「WithKids」を開設します。
その最大の特徴は、保育スタッフと親は「同僚」という立場で、一緒に理想的な保育環境を作っていけること。保育スタッフをワークスの社員として採用するので、もちろん給与は業界水準ではなくワークス水準です。
ではなぜワークスが託児スペースを作ろうと思ったのか、その経緯についてお話しします。
私は、これまで性別に関係なく、優秀な人材の採用に注力してきました。その能力ある女性が出産というライフイベントを機に会社を辞めてしまうことは、その人にとっても会社にとっても大きな損失だと考えていました。
出産をしても働き続けたいと思うのなら100%復帰してほしい、辞めざるをえない状況は耐えられない、と。
そこで10年以上前に作ったのが「ワークスミルククラブ」という出産・育児支援制度です。これは、利用者である女性社員によって発案され、具現化しました。自分たちが100%満足する制度を考えてもらったのです。
しかし、最初に出てきた案は、よくある短時間勤務制度や育児休業制度などを組み合わせたもの。 これで本当にみんなが復帰するなら、世の中の多くの女性は職場復帰しているはずです。
本当に実効性があり、働く女性の助けとなるものは何か。実はこのときから、託児所スペースの話は出ていました。 それがようやく「WithKids」として実現します。

子育てを会社でするという新しい考え方

私は、日本の保育制度は働く人に向けたものではないと思っています。なぜなら、日本では家の近所に子どもを預けるのが一般的だからです。
たとえばアメリカは、職場の近くに預けることが圧倒的に多いのに、なぜ日本は家の近所に預けるのか。働く女性にとってそれが本当に正しいのかは、とても疑問に感じていました。
実際のところ、働きたい女性は「家の近所に子どもを預ける」という世の中の既成概念に邪魔され、待機児童問題に巻き込まれ、復帰しづらくなっていると思うのです。
働き方によっては、「朝早くに子どもを預けたい」あるいは「夜遅くまで預かって欲しい」などの要望もあるでしょう。また、仕事に長時間拘束されて、子どもと接する時間が休みの日にしかまともに取れない働き方をさせるのは、企業として健全とは言えません。
働く意欲の高いワーキングマザーにとって、あるべき育児環境とは何か。どうすれば、育児と仕事の双方を全力で楽しめるのか。従来の子育ての考え方を、女性自身も変えていかないといけないのではないか。
そこで、思い切って会社に子どもを連れてきて働ける環境を作ればいいと考えました。子どもといつでも会えて、お昼も一緒に食べられるとなれば、子育てと仕事が両立します。
子育てを会社でするという考え方が、「新しい働き方の創出」につながると確信し、社内に託児スペースを作ることにしたのです。

業界最高水準の待遇でお待ちしています

今回募集するのは、この託児スペースを一緒に作り、運営する保育スタッフです。もちろん、ワークスの社員として採用します。
会社の方針も見ながら「こういう託児スペースを作りたい」「こんな制度を作りたい」「こんな取り組みをしたい」とどんどん提案してください。重要な仕事なので、それに見合う報酬をきちんと設けたいと考えています。
これまで、外部の意見や圧力に抑えられ、仕組みやルールを変えられずに、本当にやりたいことを諦めてきた方もいらっしゃるでしょう。でも、それでは何も変わりません。私は、待機児童問題や保育士の待遇問題などの解決を国に頼る必要はないと思っています。
企業が立ち上がり、正しい職場のあり方、子育て環境のあり方を追求すべきだと思うのです。
ぜひ、もっといい方法がないかを自由に考えてください。職住近接の子育てに共感する方、日々改善点を提案して良い仕組みを作りたい方に来ていただけると嬉しいです。単なる託児スペースではなく、子どもの教育や託児スペース外の環境なども整えていきたいと考えています。
これが実現すれば、会社は優秀な女性社員という大切な資産を守れて、働きたい女性は安心して働ける。保育スタッフは自身の価値を最大限に発揮でき、子どもは親と多くの時間を一緒に過ごしながら成長できる。そんな新しい働き方・生き方ができると思います 。
「一度に莫大な人数の子どもを保育しないといけない」「重労働なのに給料が安い」など、保育士につきまとうさまざまな課題も、ワークスは全部解決します。
牛丸侑香里(経営企画・写真左) 谷口裕香(経営企画・写真中央)  石関絵里(経営企画・写真右)
―社内託児スペース「WithKids」プロジェクトはいつから始動したのですか。
谷口:2016年3月から、社内有志のメンバーが約50人集まり、理想の託児スペースづくりに向けて議論を始めました。ワーキングマザーだけではなく、「同僚の女性が出産しても働き続けられる環境を作りたい」と20代前半の男性社員も手を挙げ、託児スペースには何が必要か、課題を一つひとつ挙げていきました。
牛丸:現在は、プロジェクトメンバーとして私たち3人が専属となりプロジェクトを推進していますが、社員みんなで作っていく「WithKids」のコンセプトは、50人の総意です。
―「WithKids」のコンセプトを具体的に教えてください。
谷口:働くことが好きだからこそ、育児も仕事も思いっきりやりたい。そのために必要な環境を整えるべく、「WithKids」を自分たちで運営することにしました。保育スタッフとは、親である社員と“同僚”の関係になって、「企業内託児スペースを一緒に作る仲間」としての信頼関係を築いていきたいんです。
「WithKids」のWithには、「親と子が一緒にいられる」という意味に加え、親も保育スタッフも同じ社員として一緒にという意味も込められています。
石関:業務委託をすると、保育スタッフは「安全な保育を提供する人」、親は「そのサービスを受ける人」という関係になりがちです。
場合によっては、利益重視になって、人件費や施設維持費、経費などを切り詰めてサービスを提供することが求められ、現場で働く保育スタッフにしわ寄せがくるという現状もあるのではないのでしょうか。
そうなれば、保育スタッフから「もっとこうしたい」という改善提案も出にくく、率先して託児スペースの環境を良くしようというモチベーションも上がらないでしょう。
だからワークスでは、保育スタッフを専門職の社員として迎え、同じプロジェクトメンバーという認識で、プロからの提案を具現化できるような環境、仕組みを整えます。
―ほかの託児スペースにはない「WithKids」の特徴や魅力は何でしょうか。
谷口:自分たちで理想を考えたからこそ、親や子どもの負担を極力軽減できる仕組みにしました。たとえば、おむつや着替えを持ってこなくても「WithKids」が用意し、洗濯もするので、子ども用の荷物をバッグいっぱいに詰めて出勤する必要がなくなります。
「託児スペースがここまでやってくれると助かる」という要望を実現させたいと考えています。 そのためには、現場で活躍する保育スタッフの存在が欠かせませんし、十分な人材を確保して、日常業務に追われるだけではなく、企画や提案にも積極的に取り組める体制にしたいと思います。
石関:「WithKids」では、朝は8時から、夜は20時半まで子どもを預けられますので、例えばお昼過ぎに出社して、18時ごろに子どもと一緒に夕ご飯を食べてから、少し仕事をして一緒に帰宅、といったワークスタイルも可能です。それはパパも同じです。
子どもにとって、親と一緒にいられる時間が増えるのは何より嬉しいことでしょうし、1日働いている親にとっても自宅に戻れば入浴と寝かしつけだけで済むというのは、嬉しいことです。
また、帰宅後にやらなければならないことが少ないため、生活リズムを維持しやすいといえるでしょう。
牛丸:働くのも、子育てをするのも自分たちです。だからこそ、私たち女性が働くということに対して、より良い働き方ができる環境をつくっていきたい。
一般的に、社内に託児スペースを設ける際に懸念となるのは、通勤ラッシュ時間に子どもを連れてくる点です。でもワークスはフレックスタイム制なので、混雑時間をさけて通勤できます。
ただ、それでも「電車にベビーカーを持って乗るのは勇気がいる」「電車の中で子どもが泣いたらどうしよう」といった不安があるのは事実です。 私自身、初めは「企業内託児スペースなんて本当に上手くいくのだろうか?」と懐疑的に思うところもありました。
まだまだ課題もあるでしょうし、だからこそ、さまざまなアイデアを持ち寄って、チャレンジしていきたいのです。
―これから「WithKids」を一緒に作り上げていく保育スタッフへ、メッセージをお願いします。
谷口:保育のプロフェッショナルである保育スタッフが社員として来てくれることで、働く親としては心理的にかなり安心できます。親目線の一方的な要望で終わるのではなく、現場で保育に携わってくださる保育スタッフの意見を、もっともっと取り入れていきたいと考えています。
このプロジェクトによって、私たちの働き方が変わるのであれば、それは保育スタッフの働き方も改善していかなければならないことだと考えています。ぜひ一緒により良い託児スペースを作っていきましょう。
牛丸:ワークスでは「もっとこうしたらいい」「こうしたい」といった、積極的な提案が求められます。会社を支える一員として、新しい託児スペース、みんなの新しいワークスタイルを一緒に作っていくという姿勢のある方に、ぜひお会いしたいです。
(取材・執筆:田村朋美、田中瑠子、撮影:藤記美帆)