(Bloomberg) -- シンガポールとマレーシアのクアラルンプールを結ぶ高速鉄道を2026年までに実現することで両国政府が19日合意した。当初の目標から6年遅れでの完成を目指す。インドネシアですでに55億ドル(約5800億円)規模の事業が始まるなど、アジア各地で高速鉄道計画が進む。インドは昨年、150億ドル規模の高速鉄道網建設に日本の新幹線技術を採用することを決めた。

シンガポールのリー・シェンロン首相とマレーシアのナジブ首相による覚書の調印式がマレーシアの行政機能が集まるプトラジャヤで行われた。今回の合意で、マレー半島を縦断する総延長300キロメートルに及ぶ高速鉄道の開発に関する最終交渉に道が開かれることになる。ナジブ首相はこの高速鉄道プロジェクトの入札が来年行われるだろうと記者団に述べた。

両国政府は昨年、事業の規模と複雑さを理由に20年としていた完工目標を見直すと表明。マレーシア陸上公共交通委員会とシンガポール陸上交通庁が19日発表した声明によれば、両国への技術支援を提供する開発パートナー指名に向けた国際入札を合同プロジェクトチームが来月呼び掛ける。ナジブ首相は、事業コストについて協議するのは時期尚早だと話した。

高速鉄道が完成すれば、シンガポール・クアラルンプール間は90分で結ばれ、鉄道での旅が現在の約5時間から大幅に短縮される。両国政府によると、高速鉄道の最高速度は時速300キロを超える。

アジアの高速鉄道計画をめぐっては、中国中車(CRRC)などの中国企業と日立製作所や三菱重工業などの日本メーカー、それに欧州勢による受注合戦が続いている。

原題:Asia Embraces Bullet Trains as Singapore, Malaysia Sign Deal (1)(抜粋)

--取材協力: Chong Pooi Koon 、 Manirajan Ramasamy 記事に関する記者への問い合わせ先: シンガポール Nikita Mathur nmathur20@bloomberg.net, 記事についてのエディターへの問い合わせ先: Anand Krishnamoorthy anandk@bloomberg.net, Chong Pooi Koon, Manirajan Ramasamy

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