「アラブの春」はチュニジア発。日本の支援が民主化に貢献
コメント
注目のコメント
中東読解第10回は、若手外交官でアラビストの山下将史書記官にチュニジアから現場報告の寄稿を依頼しました。本日と明日の2回連続で掲載します。
扉の写真はチュニジアの有名な観光地で美しいブルーの屋根が印象的。しかし、「アラブの春」の発祥と呼ばれながらも、国内情勢は安定せず。山下書記官は非常事態宣言が敷かれてるチュニジアにおいて、アラビア語を駆使しながら日々の外交活動に当たってます。
外交というと幹部職員の視点も大切ですが、こうした現場で活動する外交官たちの声も広く届けるべきだと私は考えています。外務省には各国語を身に付けた専門家の集団がいます。私もかつては、専門家集団の1人でした。現地語を身に付け、文化を深く理解した外交官だからこそ、分かることがあります。
「中東読解」のバックナンバーは下記からご覧下さい。
https://newspicks.com/user/9281/
「中東読解」では、現場を熟知した実務家や研究者が登場し、他媒体には出ていない方もいます。(ほぼ)毎月、(おおむね)前後編というパターンで、ときどき隠れキャラのように出てくる連載ですが、「中東読解」をフォローしてお見逃し無く。
次回は8月上旬に掲載予定。これまでにないパターンで「フォトエッセイ」を予定しています。ご期待下さい。今から約10年前、チュニジア・チュニスにアラビア語を学びに短期留学していました。仏領だった面影が色濃く残る街並で、シティ・ブ・サイドなど、白と青のコントラストが素敵な世界遺産も散在していて勉強の合間に巡ったものです。
ただ、ジャスミン革命後、テロの温床になっている印象で、実際に首都でテロもあり、残念に感じていました。
しかし、イスラム主義政党と世俗政党が、補完関係で成立していることでチュニジアの民主化を後押ししているとのこと。
機会があれば、また訪問してみたい国の一つです。
ただ、夏は尋常でないくらいの暑さのため(連日40度以上の時もありました)、夏以外で行きたいと思います。笑少し本文とはずれますが、
「チュニジア国内では、数百名の死者を出した革命の名称に美しいジャスミンはふさわしくないと考えられ、「自由と尊厳の革命」が用いられている。」
という部分が非常に革命の難しさを表しているなと思います。
民衆が自らの力で自由を勝ち取ったと聞くとすごくかっこよく聞こえますが、実際はもっと血なまぐさいものです。
チュニジア国民は抗議を起こすたびに鎮圧され、支配を勝ち取ったかに見えてもまた殺されということの繰り返しを通じてようやく政権打倒にこぎつけています。
例えばシリアが内戦に突入したのも直接の原因は住民の蜂起です。
だからなんだということもないですが、革命とはそういうものなんだということを心に留めておくのは大事だなと思いました。