英国トップエコノミストが語る「ブレグジットが正しい理由」
2016/07/05, NewsPicks編集部
政府、中央銀行の試算はいつも的外れ
英国トップエコノミストが語る「ブレグジットが正しい理由」
2016/7/5
ロジャー・ブートル氏は保守党ブラウン政権の経済アドバイザーや下院財務委員会の顧問を歴任し、英国シティでもっともよく知られるエコノミストの一人だ。
それと同時に、『欧州解体』(原題”The Trouble with Europe”)でEUの抱える構造的問題を指摘し、近い将来の「EU崩壊」を予測したことでも知られる。
ブートル氏の指摘によれば、EUは調和と統合の目標を達成しようとする余り、過剰規制が行われ競争が阻害されている。また、欧州議会の選挙区が極めて広く、議員と有権者のつながりに欠けるため、市民の望みが反映されなくなっているという。
そうした矛盾を抱えるEUが、今のまま発展するのは不可能であり、ユーロ圏は南北に分割されるべきだとブートル氏はいう。
一方、投票前から「イギリスはEUを離脱すべし」と訴え、EU加盟国にとって最大の輸出先であるイギリスは、強い立場で対EUの交渉に臨めると主張する。
ブートル氏の「シナリオ通り」になったとも言える今回の国民投票。イギリス離脱を是とするのはなぜか。その真意を聞いた。
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コメント
注目のコメント
下記でコメントしたように、Brexitの経済インパクトは「分からない」と思う。短期的には、マイナスが多いかもしれない。ただ為替安になっている輸出競争力やインバウンド需要のメリットもある。長期は、EUへのパスポートがなくなる一方で、規制から解放される側面もある。
そのなかで、一般論として人間は、目に見える分かりやすいリスクを重視する。だから経済を重視する人は、短期的にはほぼ確実とみられる経済インパクトゆえにBrexitに反対したし、職だけでなく社会福祉での混雑や様々な国内でのEU優先が目の前にあれば、それゆえにBrexitに賛成する人もいて、後者が上回った。
イギリスだけの話ではないが、結局は決定を受けて人々がどう動くかで未来は変わる。政策だけで自分たちの未来が決まるほど、個々人の頑張りの集合は無力ではない。一方で政策の影響も大きい。だから投票など政治にちゃんと参加すること、そしてその決まったなかで全力を一人一人が出していくか、きれいごとではあるがそれが未来を決めていくと思い、学術的に予想できる部分なんて極めて小さいと思う。
『離脱したことで得られるプラス面はすぐには出てこないが、徐々に状況はよくなると私は確信している。』
https://newspicks.com/news/1644667?ref=user_100438「体制派の経済予測など当たった試しがない」と一刀両断するブートル氏。一匹狼としてのし上がり、シティのトップエコノミストの地位を手に入れた反骨心が見て取れます。
保守党と労働党双方のブレーンでもあったブートル氏の示唆に富んだ『欧州解体』は、brexit全体を理解するのに最適な一冊だと思います。他のEU加盟国にとって英国は米国を上回る最大の輸出先になっており、そのため英国がEUから離脱しても無数の欧州系企業が英国との自由貿易を維持しようと働きかけるはず。実際のところ民間企業の踏み込み次第では英国が本交渉で有利になるとも考えられる。
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