次はオランダか。ブレグジットの「最悪シナリオ」を考える
2016/07/03, NewsPicks編集部
ブレグジットは序章にすぎない
次はオランダか。ブレグジットの「最悪シナリオ」を考える
2016/7/3
ブレグジットはどのようなドミノ効果をもたらすのか。英国に続く離脱国は出るのか。『リーマン・ショック・コンフィデンシャル』の著者であるニューヨーク・タイムズのアンドリュー・ロス・ソーキン記者が予測する。
損失が大きいのは英国よりEU
脅かすつもりはないが、「ブレグジット」つまり英国の欧州連合(EU)離脱の最悪のシナリオについて考えてみたい。
世界中の政治学者や金融のプロが、英国がEUからの離脱を選ぶという驚きの事態が経済にもたらす影響について考えようとしてきた。以前からさまざまな試算が出ていたが、実際に国民投票の結果が明らかになると、さらに多くの新たなシナリオが登場している。
シミュレーションの大半は、英国経済への直接的な打撃に焦点を当てているが、危機感をあおりすぎているきらいもある。
確かに英国経済は、政府を再編して欧州との「離婚」交渉に臨む中で短期的には痛手をこうむるだろう。通貨ポンドが今後さらに下落する可能性もある。英国とEUの関係の先行きは不透明で、両者の間の新たなルールが整備されるまでは投資も冷え込むだろう。
そうなれば、世界中の市場は震え上がったり、肩をすくめたり、生意気なティーンエージャーみたいな反応をすることだろう。
「株価は新たな変動領域に突入した。すぐに安定することはないだろう」と、米大手銀ウェルズ・ファーゴはリポートで指摘した。
だがブレグジットが金融にもたらす影響や変化を考える際、英国だけに注目するのは間違いかもしれない。真に不吉なシナリオでは、英国はドミノ倒しの1つ目のドミノに過ぎない。
newspicks.com
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コメント
注目のコメント
以前より安東さんのブリグジットについてのコメントに注目していましたが、現状その通りに推移しているように感じます。
となると、EUの改革なかりせば、EU分解の可能性は否定できないという主旨のコメントは重く受け止めねばなりません。
今後はイギリスがどうなるかではなく、EUの方がどうなるかに注目していく必要がありますね。世界を震撼させたブレグジット。言い換えると、想定していなかったシナリオが起きてしまったという表れです。
何が起こっても先手で構えられるように、EU崩壊やトランプ大統領誕生といったシナリオを描いておくべきかと思います。『リーマン・ショック・コンフィデンシャル』を書いたスター記者、ソーキンによるブレグジットのドミノ効果予測。文中に引用されているハース氏の「今後5年間に複数の国がEUを離脱する」との指摘が重い。
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