【細谷雄一】イギリス離脱、真の勝者は「世界の極右勢力」
2016/06/30, NewsPicks編集部
勢力拡大の裏には、中道派の打算がある
【細谷雄一】イギリス離脱、真の勝者は「世界の極右勢力」
2016/6/30
イギリス国民投票の数日後、早くも再投票を求める署名活動が始まり、離脱を訴えた政治家が主張の誤りを認めるなど、混乱が広がっている。その背景には、どのようなイギリスの国内事情があるのか。今後の国際情勢に与える影響は。国際政治学が専門の細谷雄一・慶應義塾大教授が読み解く。
第1回:【ビル・エモット】ブレグジットの破壊的影響
第2回:スライドストーリーで見る「ブレグジットの衝撃」
第3回:EU離脱の旗手、ボリスは英国のトランプか、チャーチルの再来か
第4回:ブレグジットは「戦後秩序」を破壊するのか?
欠如したリーダーシップ
──EU離脱の原因として、そもそも国民投票の実施を決断したキャメロン首相に批判が殺到しています。こうした政治的判断をどう見ますか。
細谷:イギリスにとって大陸との距離の取り方は、政治的に最大のイデオロギー的対立の争点となっています。
イギリスでは、20世紀のナチズムとコミュニズムに対峙(たいじ)した経験が共有されており、「大陸は非民主主義的である」というイメージを根強くもっています。1973年にEEC(欧州経済共同体)に加盟したのも経済的利益のためで、大陸を信頼していたからではありませんでした。
こうしたスタンスの人を「欧州懐疑派(Eurosceptics)」と呼びます。
newspicks.com
プレミアム会員限定の記事です。
今すぐ無料トライアルで続きを読もう。


この連載の記事一覧

【スティグリッツ教授】共通通貨ユーロがEUを引き裂く
NewsPicks編集部 87Picks

【最終回】ジョージ・ソロス「ブレグジットと欧州の未来」
NewsPicks編集部 135Picks

まるで子どものケンカ:ボリス・ジョンソン敗戦ドキュメント(後編)
NewsPicks編集部 47Picks

ゴーブの謀略:ボリス・ジョンソン敗戦ドキュメント(中編)
NewsPicks編集部 63Picks

これぞ権謀術数:ボリス・ジョンソン敗戦ドキュメント(前編)
NewsPicks編集部 169Picks

次なるシティはどこか?金融センター候補9都市を採点
NewsPicks編集部 71Picks

英国トップエコノミストが語る「ブレグジットが正しい理由」
NewsPicks編集部 108Picks

スライドストーリーで見る「ブレグジットの経済インパクト」
NewsPicks編集部 417Picks

次はオランダか。ブレグジットの「最悪シナリオ」を考える
NewsPicks編集部 86Picks

「新自由主義」の時代は終わったのか?
NewsPicks編集部 185Picks