この連載の記事一覧

【スティグリッツ教授】共通通貨ユーロがEUを引き裂く
NewsPicks編集部 86Picks

【最終回】ジョージ・ソロス「ブレグジットと欧州の未来」
NewsPicks編集部 134Picks

まるで子どものケンカ:ボリス・ジョンソン敗戦ドキュメント(後編)
NewsPicks編集部 46Picks

ゴーブの謀略:ボリス・ジョンソン敗戦ドキュメント(中編)
NewsPicks編集部 62Picks

これぞ権謀術数:ボリス・ジョンソン敗戦ドキュメント(前編)
NewsPicks編集部 168Picks

次なるシティはどこか?金融センター候補9都市を採点
NewsPicks編集部 70Picks

英国トップエコノミストが語る「ブレグジットが正しい理由」
NewsPicks編集部 107Picks

スライドストーリーで見る「ブレグジットの経済インパクト」
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次はオランダか。ブレグジットの「最悪シナリオ」を考える
NewsPicks編集部 85Picks

「新自由主義」の時代は終わったのか?
NewsPicks編集部 180Picks
AIIBではブレトンウッズ体制を構築したイギリスが中国と手を結び、このブレトンウッズ体制を覆そうとしています。反米のスタンスを取り続けている中国共産党と、凋落著しいとは言いながら旧覇権国のイギリスが手を握ったことは、アメリカにとってかなりの衝撃だったと言われています。これをきっかけにパナマ文書の問題を仕掛けたのではないか、とさえ。
中国と連携し、人民元取引センターとなることにより、シティを復活させようとしていたイギリス、凋落したとは言いながら、かつての覇権国であり、大英帝国時代の様々な資産を継承し、情報網であったり人脈であったり、制度運用のノウハウがあるイギリスを手に入れ、アメリカに対峙したい中国、双方の利害が一致している、と言われています。
結局のところ、後ろに見えてくるのは、中国共産党がドル覇権を打破し、人民元基軸通貨体制を世界に強制することにあります。
シンガポールのリー・クアンユー初代首相の言葉は、それを示唆しており、重いですね。
今回の英国のEU離脱も「緩やかな変容」の一局面であって、そのことが直ちに「戦後秩序」の完全崩壊を意味するものではない。これまで「戦後秩序」の構成要素が失われたとしても、それを代替する構成要素が現れることで、総体的には「戦後秩序」は維持されてきた。ただ、今後も「緩やかな変容」が続くのであれば、いずれは「戦後秩序」が完全に崩壊するか別の秩序に取って代わられるという点に留意しておいた方がよいだろう。
「戦後秩序」が長きにわたって維持され、折に触れて補完が行われてきたことを考えると、今後も「経路依存性」(一見非合理的であったとしても、膨大なコストがかかるため全面変革を行うことはしないということ)が働くことになるだろう。また、国際公共財を供給する能力を有する「覇権国」が存在しないことで、大規模な「新秩序」の確立が難しいことも「戦後秩序」への「経路依存性」を強めることになっていると考える。