【シミュレーション小説】広告代理店の営業マンは5年後いなくなる

2016/6/24
 文系の花形である広告代理店の仕事は、2020年に消えるかもしれない。営業はコンサル化せざるを得なくなり、バイヤーとプランナーはいなくなる。文系崩壊の模様をシミュレーションする。  
【広告代理店】2010年━━。
黒田将27歳は、大手広告代理店アド・エージェンシーの営業マンだ。私立大学最難関の政治経済学部を卒業後、入社した。
大手飲料メーカーのヨントリーを担当している。入社以来、クライアントにひたすら尽くし、仁義の世界で生きてきた。何より大事なのは、礼儀とノリである。
今夜はヨントリー宣伝部員の接待だ。
先日、こんなことを言われた。
「黒田さん、さすがに昨今のテレビ離れで提供やめようって話も出てんのよ」
それは絶対に困る。
「ヨントリー土曜劇場」のテレビCMを来期も契約継続してもらわなければならない。このゴールデンの広告枠は、ヨントリーの一社提供である。
金曜だからストレスもたまっているはずだ。思い切りはじけてもらおう。