焦点:高度1000キロ超えた北朝鮮ミサイル、「発射成功」の見方強まる
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今回の北朝鮮の中距離弾道ミサイル「ムスダン」の発射については、2つの面から押さえておく必要がある。
第1は、度重なる「失敗」を「研究開発につきもの」として当然視し、メンツにこだわることなく着実に目標達成への歩みを進めている北朝鮮の変化だ。
ここで日本が押さえるべきは、一見したところ「失敗」に見える弾道ミサイル発射にも、常に北朝鮮なりの達成目標があり、それは外国にはわからないという点だ。
そうした「失敗」を重ねるごとに、北朝鮮は着実に完成に近づけていることを見逃してはならない。
第2は、そうした完成度を高める動きの中で「ロフテッド軌道」で発射することを実現したことだ。
ロフテッド軌道は、本来の最大射程を飛ばすことなく、近くの目標を攻撃する場合に用いられる。
そのために高度1000キロまで上昇させ、400キロ地点に落下させた。
これは、好意的に見れば日本列島を飛び越すことなく落下させ、日本を刺激しないようにしたとの受け止め方もできるかもしれない。
しかし、軍事の世界にそうした甘い見方は存在しない。
元山から400キロ地点に落下させることに成功したということは、674キロの福岡、1154キロの東京にも落下させる精度を備えていく可能性を示している。
完成度の高い弾道ミサイルを備えるほどに、核兵器と相まって北朝鮮は強力な外交カードを手にすることになる。
隣国であり、拉致問題を抱える日本としては、座視できるものではない。
北朝鮮を侮ることなく、外交・安全保障の能力を高めなければならない。指をくわえて見ているだけなのか?具体的に日本はどんな対策を講じているのか分からない。追撃ミサイルは、高度1000km超えたものには威力を発揮しないとの報道もある。人も同じように、失敗を重ねると強くなっていく。テクノロジーも同様だろう。いつしか北朝鮮も重ねた失敗を糧として本当の脅威になり得る。
隣国に対して、明確な意志を示さない日本はこうやって国力を失なっていくのだろう。