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全大学生の登竜門

【インターン募集】内定ではなく「入社パス」を持つ選択肢とは

2016/6/13
「ゼロから1の能力」を追求し、実際のビジネスで起こりうる難解な「答えのない課題」に挑戦する、ワークスアプリケーションズのインターンシップ。約20日間で、出された課題を分析して仮説を組み立て、新製品の企画・開発を行い、最終的には大手企業経営者向けを想定したプレゼンテーションに挑む。特筆すべきは、成績上位者には報酬に加え、卒業後3年間はいつでも入社できる「入社パス」が与えられることだ。昨年夏のインターンに参加し、最優秀の成績を残した学生起業家の嶋田瑞生氏と、ワークスアプリケーションズCEOの牧野正幸氏に、インターンで得られることや、参加する意義を聞いた。

──昨年インターンに参加した嶋田さんには、牧野さん自らが声をかけたと聞きましたが、そのきっかけを教えていただけますか?

牧野 嶋田君と出会ったのは、東北で開催したアントレプレナーが集まるイベントです。たくさんの若手経営者の一人に嶋田君がいたから、最初は学生だと思わなかった。ただ、若いのに経営のことをしっかり考えていて、「やたら優秀だな」と思っていたら、実は学生だと聞かされて驚いたよ。こんな学生がいるのかと。

──嶋田さんとは、どのような話をされたのですか?

牧野 嶋田君は1つ目の会社を起業したあとに、さらにクラウドファンディングを利用して別のサービスも立ち上げたと言っていて、今後経営者としてどう歩めばいいかや、経営に関する相談、事業の話がほとんどだったよね。

会話の中で「ワークスのインターンに行ったら意味ありますか」と聞かれたから、「君は経営者だからインターンに来ても得るものはない」と答えたのは覚えているよ。

嶋田 はい、まさかのインターンに来なくていいよ発言でした(笑)。

牧野 ワークスのインターンは、自分の頭で考えて答えを導き出すプロジェクトだから、すでに経営者として日々問題解決に臨んでいる嶋田君には必要ないと思った。インターンで提供する以上の環境で実践しているからね。だから僕から誘ったわけじゃないんだよね。

ワークスアプリケーションズ CEO 牧野正幸 1963年生まれ。大手建設会社、ITコンサルタントを経て、1996年にソフトウェアメーカーであるワークスアプリケーションズを設立。国内のERPパッケージ分野でトップシェアを誇る。2015年12月には、世界で初めて人工知能型ERP「HUE」をリリース。 イノベーションの源泉となる優秀な人材に着目し、世界中から毎年約8万名が応募するインターンシップを実施するなど、独自の施策を展開。「働きがいのある会社」ランキング (Great Place to Work Institute, 2016)ではアジア9カ国940社以上の中から「ベストカンパニー賞」を受賞した。

ワークスアプリケーションズ CEO 牧野正幸
1963年生まれ。大手建設会社、ITコンサルタントを経て、1996年にソフトウェアメーカーであるワークスアプリケーションズを設立。国内のERPパッケージ分野でトップシェアを誇る。2015年12月には、世界で初めて人工知能型ERP「HUE」をリリース。 イノベーションの源泉となる優秀な人材に着目し、世界中から毎年約8万名が応募するインターンシップを実施するなど、独自の施策を展開。「働きがいのある会社」ランキング (Great Place to Work Institute, 2016)ではアジア9カ国940社以上の中から「ベストカンパニー賞」を受賞した。

──それでもインターンに参加した理由は何だったのでしょうか?

嶋田 牧野さんとイベントの懇親会で話したとき、今まで見たおじさんの中で一番キラキラして見えたんです。

牧野 おじさん(笑)

嶋田 特に僕の地元のおじさんたちは、「仕事はご飯を食べるためにやるものだ」という人が多くてキラキラしていない。でも牧野さんは、会社や事業のことを熱く語り、世界を変えると言っていて、こんなおじさんを見たことがないと、しびれました。

僕はまだ学生ですが、自分の会社を経営しています。グロースする業態ではないものの、ある程度の形にはなっていて、でもそれでいいのかなと悶々としていたんです。

だから、何かしら突破口を見つけるきっかけが欲しいと思っていたのに、牧野さんに「インターンに来なくていいんじゃない? 起業家として大成する方がうれしいし、世の中のためになる」と言われて。

予想外の発言に驚いたと同時に、がぜん興味を持ちましたね。報酬や入社パスはどうでもよくて、ただ牧野さんが作った牧野ハリケーンに巻き込まれたいと思い、迷わずインターンへの参加を決めました。

──インターンは前半後半で20日間。その間に、出された課題を解決する新製品を一人で作ると聞きました。ただ、前半戦での嶋田さんの評価は低かったそうですね。

牧野 そう。前半の嶋田君の評価を見たときは驚いた。絶対トップになると思ったのに、4段階中下から2番目の評価だったから。サボったとしか思えなかったよ(笑)。経営経験があっても難しいということだね。

嶋田 負ける気はないし、ナンバーワンになるって人事との面談でも言っていました。でもいざ始まったら、予想以上に難解で考えることが多かったんですよね。

牧野 考えすぎたな。

嶋田 そうなんです。難度が非常に高く、どうすれば最適解なのかがわからなかったので、事業計画を何度も書き換えて、アプリケーションも作っては捨てを繰り返しました。締め切り前日に作ったものも捨てて、当日ギリギリまで粘って納得いくものを出したけど、結果は下から数えたほうが早い評価。これは本当に悔しかったですね。

MSと呼ばれるメンターからも「迷走しているね」と言われました。何より、周りに僕より良い評価の人がいるという事実が悔しかったです。

目の前の席にいたのは、慶應で理系の大学院生で、最初からすごいアウトプットを出していて、僕より評価が良かった。「こんな人たちと戦って大丈夫かな」と不安になったけど、彼に負けたくない、絶対に1位を取りたいと思っていたので、後半で巻き返しました。

東北大学 4年生 嶋田瑞生

東北大学 4年生 嶋田瑞生

牧野 嶋田君の前半の問題点は、期間とリソースを考えられなかったことだろうね。理系でITの素養がある学生は、最初から開発リソースを持っているから余裕を持って取り組めるけど、嶋田君にはリソースがなかった。

その中でどうするべきかという計画が作れなくて、リソースの読みを誤ったんじゃないかな?

嶋田 その通りです。最初、「理想の風呂敷」を広げすぎていました。だからギリギリまで追求して何回も作り直してしまった。そこで、後半は大事なところがブレないように、初めは小さく作って、そこに必要なものを足していく計画を立てたんです。

忘れもしないのは、インターン18日目の昼休み。このとき自分の中で何かが弾けて、残りの1日半で一気に製品を作り終えました。極限の集中状態「ゾーン」に入ったと思います。

牧野 結果、この年の最優秀賞に選ばれたわけだけど、僕は嶋田君のその苦悩を知らなかったから、最優秀賞だと聞いた時は「当たり前だ」と思ったよ。予想通りに1番で卒業したな、ってね。

そもそも経営を真面目にやっている人は、物の考え方ができている。知識や経験じゃないんだよね。

ただ、すごいなと思ったのは、MSからの評価。MSはインターン生を学生とはいえ、対等のプロフェッショナルとして見ているから、厳しい目でシビアに評価するんだけど、「こんなレベルの学生がいるのか」と驚いていたよ

嶋田 MSの方はワークスのエース社員なので、彼らと一緒に実践できる機会を得られるだけでも贅沢です。熱量のあるレビューでボコボコにされたけど、最終的に評価してもらえたのは何事にも代えがたい経験でした。最優秀賞をとって、みんなの前でプレゼンをしたときの景色は素晴らしいものでした。夏休みをワークスに投資して本当に良かった。

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──具体的には、インターンでどのようなことを得たと思いますか?

嶋田 僕は経営の経験はあったとはいえ、ワークスのインターンに参加して、勝ち方や考え方がわかり、物事の本質を捉える力を身につけられたと思います。

できる前提で考える発想や、ポジティブシンキング、なぜなぜ思考、そういう力が実務ベースで身についたおかげで、自分に自信がつきました。

今卒業論文を書いているのですが、本質は何かを考える癖がついたのでブレないんですよね。ワークスのインターンは全ての大学生が一般教養と同じように挑戦するべきだと思うし、やらない理由があるなら教えて欲しいほどです。

牧野 そうだね。考える力をつけるには起業が一番いいと思うけど、なかなか踏み出せない人が多いから、インターンを経験して欲しい。たった1カ月だけど、徹底的に自分の頭で考えるから、物の考え方がわかるようになる。もちろん、インターンを修了するのがゴールではなく、得たことをもとに努力し続けなければ意味がないけど。

嶋田 インターンの経験は日常生活でも生きています。人が話していることの本質は何かを見抜こうという思考が働くようになりました。健全な懐疑心を持って話を聞く姿勢が身についたので、なんというか、人生がやりやすくなったような気がします。人と話すときもゴールを設定してシナリオを立てる癖がつきましたね。

このプログラムは学生にとって良いことずくめだと思うのですが、牧野さんは、なぜこれほどインターンに注力するのですか?

牧野 優秀な学生を発掘できるし、彼らがワークスにジョインしてくれたらうれしいよね。そうじゃなくても、インターンを経験することで考える力がつくから、しっかり自分で考えてキャリアを切り拓いている。インターンでの出会いをきっかけに一緒に起業した人たちもいて、社会貢献につながっているなと思うんだよね。

ただ、最初は多くの企業から「ありえない」って言われてね。

嶋田 なぜですか?

牧野 インターンの成績上位者を「内定者」として扱わず、いつでも入社していいよという「入社パス」を渡すことにしたから。通常どの企業も、優秀なインターン生にはどうにか入社してもらおうと、あの手この手を使う。だから内定者として囲わないのは、お金をドブに捨てるようなものだと。

でも僕の考えは違う。ワークスに入社する気がない学生にも来てもらいたいから、単なる採用試験にしたくなかった。もちろん、コスト面で言うとコスパは悪いよ。今でも新卒を1人雇うのに1000万円かかる計算だから、100名が入社すると10億円かかることになる。相当高いよね。

それでも続けるのは、優秀な学生に自分で考える力を身につけて、能力を伸ばしてほしいから。将来ワークスに就職する・しない、ワークスが好き・嫌いは本当に関係ない。採用試験ではないから、大学1、2年生にこそ参加してほしいと思っているよ。

嶋田 それは本当に同感です。僕、地方の学生にこそ受けて欲しいと思っています。せっかくいいエンジンを持っているのに走り方がわからない学生がいっぱいいると思うんですよね。

ビジネス系団体で一緒の大学1年生の後輩も、インターンに参加して入社パスを取りました。パスがあるから大学の残り3年間は好きなことをやると言って、この春からドイツに留学しています。

牧野 入社パスがあれば、それこそ海外に行くことも、どこかに就職後、ワークスに入社することもできるね。このパス制度が日本企業に増えたらいいのにと思うよ。大学の長期休暇ごとにインターンに行けば、いくつものパスをもらえる可能性がある。すると、大学4年生になって就職活動をする必要はなくなるし、起業に挑戦することもできる。そういう意味からも、ぜひ多くの学生にインターンに来て欲しいね。

嶋田 今、周りのみんなが一斉に就職活動を始めましたが、僕はしていません。逆にみんなが忙しいので、一人でいろんなことを考える時間を持ててラッキーだと思っています。

これから3社目の起業も考えられるので、ぶっちゃけワークスに入社するかどうかわかりませんが(笑)、僕の将来にいくつもの選択肢を与えてくれたワークスのインターンを、僕はすべての大学生に心からおすすめします。

(取材・文:田村朋美、写真:須田卓馬)

<インターンシップ概要>

「後輩にオススメしたいインターンシップ」ランキング6年連続第1位(ジョブウェブ調べ)。自分の頭でゼロから考え価値を出す、能力発掘・育成型インターンシップです。※詳細はインターンシップ説明選考会にてご説明いたします。下記のボタンよりエントリーしてください。

■ 参加条件:
2018年以降卒業予定の大学生・大学院生(学部、学科不問)
※入社意思不問。セミナー/選考を経て、インターン参加者を決定いたします。

■ インターンシップ期間:
東京(前期):8月4日(木)~8月30日(火)
東京(後期):9月1日(木)~9月26日(月)
大阪:9月1日(木)~9月26日(月)
名古屋:8月4日(木)~8月30日(火)
福岡:9月1日(木)~9月26日(月)

※ 上記期間中、休日を挟んだ約20日間のプログラムです。
※ 日程は多少変更となる可能性があります。

■ 報奨:
・インターンシップ修了報奨金16万円
(成績優秀者には別途成績に応じた報奨をお渡しいたします)
・成績優秀者に卒業3年間いつでも入社できる「入社パス」の付与
(他社への入社後や留学後など、期間内の任意のタイミングで使用可能です)

■ TOPセミナー/インターンシップ説明選考会:
インターンシップへの参加には、セミナーの出席が必須となります。TOPセミナーでは、CEO牧野が「グローバルで活躍するビジネスパーソンに求められる能力とは」と題し、講演を行います。