【細野×田原】なぜ、民主党政権は失敗に終わったのか
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私が外務省で働いていた最後のタイミングは民主党政権でした。退職時の辞令は前原誠司外務大臣名で頂きました。
思うに安全保障問題で大きな転換をするときには、その国の経済が良くないと難しいと思います。沖縄の基地移転は県内でも県外でも、かなり大きな変更。
米国は戦略的に現在の配置がベストだと考えている訳ですから、日本側にバーゲニングパワーが必要。景気好調で米国にとって日本がより必要だという認識が生まれないと、そもそも軍事力で圧倒的な差(というかゲームのルールが違う両国の軍)があるなかで、日米安保大勢のキモ中のキモである沖縄の基地再編はそうそう起こりません。
まずは景気浮揚に全ての力を注ぎ、その上で安全保障問題でも良かったかもしれません。経済力が強ければ、自ずと安全保障問題でも優位に立てる可能性が高いです(絶対ではありません)。
細野さんが民主党政権が失敗に終わったと認め、それを率直に振り返る姿を我々のNewsPicksという媒体で出して頂いたことは歓迎したいです。
ただ同時に、下記のリー・クワンユー・シンガポール元首相の言葉を贈りたいと思います。これは民主党だから、細野さんだからということではありません。自民党でも共産党でも、何党でも、政治家にはすべからくこうあって欲しいと思います。
「私は自分の人生のほぼすべてをこの国をつくりあげることに使った。それ以外に私がする必要のあることなどなかった。私が最後に得たものは何か。成功したシンガポールだ。私が捨てねばならなかったものは何か。私自身の人生だ」
これはリー元首相が死去した際に、現首相のリー・シェンロン氏がスピーチで引用したクアンユーの言葉です。あれだけの名言を残した政治家の言葉から、一つだけ引用したこのフレーズは益々重みを感じます。
政治家という職業はこれほどまでに重く、一つ一つの判断が取り返しのつかない、国民生活だけでなく、国家そのものの浮沈がかかっています。
政治家が「失敗」を振り返る意味は、私人が「失敗」を振り返るよりも何十倍も重いものと思います。