【編集後記】今のIoTには「ワクワク感」が足りない

2016/6/11

IoTへの戸惑い 

過去1年ですっかり定着したIoT。安倍政権も「第4次産業革命」を成長戦略の柱に据えている。しかし、どうもその具体的なイメージが沸いてこない──そんな問題意識から始まった本特集だが、20回の特集を終えての感想は、「やっぱりIoTはわかりにくい」だ。
ロボットはハードウェアなのでわかりやすく、AIもアルファ碁のニュースを筆頭に象徴的なエピソードに事欠かない。しかし、IoTはインパクトのある実例やストーリーに乏しいため、IoTの取材をしていても、どうもワクワクしないことが多かった。
IoTのつかみどころのなさに戸惑っているのは企業も同じだ。
IoT関連のコンサルティングを手がけるウフル(uhuru)の園田崇社長は、日本企業からの問い合わせが製造業や流通小売を中心に増えているが、具体的に何をすべきか決めきれていない企業も多いという。
「IoTをやることは決めた。自社のコンピタンシーはどこにあるかもわかった。しかし、インターネットサービスをやったことがないので、実際にどんなものがつくれるか見てみたい、どこまでやるべきか、という相談が多い」(園田社長)

マーケティングとIoT

ではなぜ、IoTは言葉が先行する割に盛り上がらないのか。