富士フイルム、M&Aの凄さ。多額投資の一方で自己資本比率は健全性を保つ
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注目のコメント
King HIDIEさん及び三上さんのコメントもご覧いただきたい。2000年前後では富士ゼロックスの統合があり、事務機事業の安定的なCFでフィルム事業がデジカメシフトで厳しくなる中でその要素技術も活用した液晶用のTACフィルムへの投資ができて、2000年代半ば以降は医療系に投入。既存事業でCFがちゃんと上がること(もちろんフィルム事業の縮小は壮絶ではあるのだが)、そしてTACなど一部事業の成長余地は高かったものの、全体としては再投資ではなくM&Aや領域拡大に、自己資本比率が変わらないレベルで投入してきたというのがざっくり感の印象。
ただ今後はどうか?キヤノン・リコー・コニミノはいずれも営業CFのピークは2007年度で、富士フイルムも2009年がわずかに上回っているだけ。そして2015年度の営業CFは対ピークでざっくり3割~半減。まだキャッシュとしては回っているが、既存事業の縮小を成長投資の萌芽が上回っていない状態ともいえる。素晴らしいな。
事業構造を変えるためにこれだけ大胆にM&Aしながらも財務の安定度を示す自己資本比率を高い位置で保っている。
◼もちろん資本・財務政策が緻密というのもあるだろうが、
◼それぞれの(先行きが厳しい)既存事業がまだ腐りきってなく収益が上がっているなかで事業構造改革をしている、
ということだな。悪くなってからではなく、という点が肝だな。