グーグル、欧州独禁法違反で過去最高額の罰金か
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注目のコメント
EUの気持ちもわかるが、なんか、なんだかなぁ~という印象が拭えない。実際問題、Googleほど真摯に情報検索について向き合っていた企業があるのか、それが本当にGoogleがいなかったならば、Googleにとって替われるほどのものになっていたのか。ハードウェアやハードウェアにバンドルされるソフトウェアと違い、ユーザーは他に良いものがあったらそれを使う。Google登場前の検索市場を状況を思い出せば、それは明らか。
コメントが総じて色々と不正確なので以下に整理します。
・ECが問題としているのは「市場を独占していること」でない。
・ECが問題としているのはGoogleが「市場の独占を濫用しているおそれがあること」である。
・これまでにECがGoogleに送付した異議告知書は2つ。
・ひとつ目は検索エンジンで自社サイトを優遇した行為について。Googleが検索エンジン上のサーチにおいて自社サイトであるGoogle Shoppingの検索結果(価格情報等)を、価格の高低にかかわらず他の競合サイトの検索結果より優先して表示していたとのこと。これにより検索ユーザーはGoogleの恣意的な検索操作により高値の商品を買わされたおそれがあるとのこと。
・ふたつ目はAndroidのOSと純正アプリについて。Googleが携帯通信会社及び端末メーカーにAndroidをライセンスする際にGoogle SearchとChromeアプリを必ずプリインストールするように義務付けたり、Androidのオープンソース上で動く別のOSの使用を禁じたりしたとのこと。抱き合わせ販売により他の競合アプリの発展を妨げたとのこと。
・これに加えて、ECはGoogleの売上の本丸である広告サービスについても調査を開始しているという報道があるので今後も注目。
・また米国FTCも2013年に一度中断したGoogleに対する独禁法調査を再開したという報道もあり欧州vs米国という単純な構図ではない。(ただし、Googleから政治献金を受けている米国議員がECにロビーイングを行ったという報道もあり、米国vs欧州という側面が全く無いわけではない。)。
・なお、Googleは一流事務所を動員してECと対決しており、ECの主張に対して様々な反論を展開している。
異議通知書①
http://europa.eu/rapid/press-release_MEMO-15-4781_en.htm
異議通知書②
http://europa.eu/rapid/press-release_IP-16-1492_en.htm
Googleの異議通知書①に対する反論
http://googlepolicyeurope.blogspot.jp/2015/08/improving-quality-isnt-anti-competitive.htmlグローバル企業と国境を持つ国家権力の対決はいよいよ次のステージに入った様相ですね。国をまたいで活動するグローバル企業への課税が思うようにできなくなった国家権力が、独禁法やその他の手法で利益を廻させる戦略を取るのは、ある意味自然な動き。企業サイドも、国家権力を競業他社並みの警戒心で対峙しなければならないでしょう。