この連載について
「フィンテック」「ヘルステック」「エドテック」など、今、テクノロジーの力を使って規制産業を変え、新たなビジネスチャンスを生み出す動きが活発化している。各業界の規制が既得権をもたらし、それゆえ国際競争に遅れをとっているとも言われるなか、果たしてテクノロジーは業界の未来を変えるのか。新興プレーヤーやそれを迎え撃つエスタブリッシュ企業、規制に精通する学識者への取材を通じて、規制産業の行く先を考える。
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この連載の記事一覧
ヘルステックの挑戦を下支えする「医療人材ビジネス」
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医師会幹部「営利目的の遺伝子検査は全面的に禁止すべき」
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ヤフーにDeNA。遺伝子検査ビジネスの壁をどう超えるか
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【大室正志】バブルか実力か。医師から見たヘルステック
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「社員の健康が最大の経営資源」BtoBに広がる予防ビジネス
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【大室正志】メンタル対策は技術革新でどう変わる?
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人工知能診断は医師にとって悪夢か福音か
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「泣きたくなるほど儲からない」遠隔診療、普及のカギは
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産業ロボット大手が挑む「ポスト・ダビンチ手術」
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「ヘルステック」は医療業界に風穴を開けるか
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産業医の大室先生の寄稿にもあったように「成長が約束されているものの、変化は遅い」ヘルスケア業界。ともすればじれったいように感じる議論も、人命というクリティカルなものを相手にしている以上、避けられないように思えます。
「規制産業×テクノロジー」という軸で取材を進めて、3つめの特集となりましたが、うまくいっている企業に共通しているのは「既存勢力側の論理を尊重し、『われわれは仲間だ』というスタンスで既存勢力に接すること」。最終的には破壊的なイノベーションを志向しているのかもしれませんが、業界秩序を守る姿勢を示さなければ土俵に上がる前に排除されてしまいます。ある意味、ベンチャー的な「何でもやっちゃえ」というノリは、規制産業に関しては不向きなのかもしれません。
今後も同分野の取材を続けていければと思います。末筆ながら、取材にご協力いただいた企業関係者、医療関係者の皆様、ご寄稿いただいた大室先生に深く感謝いたします。
そして明日から始まる、別の特集に合流したいと思います(笑)
本記事で大変興味深かったのは、経営分析について触れているところです。
病院生き残り競争が激化している現在、これまでのようなスーパードクター一人に頼った集患(と言います)では立ちいかず、かと言って次の「キラープロダクト」を見いだせていない点はとても鋭い視点だと感じました。
当院の診療情報分析室では、紹介元クリニックを紹介数で順序つけしそれをマッピングして、その経時変化を追っています。各診療科のプロモーション活動がより効率的に行えるようにカルテ情報を分析しています。一例ですが、電子カルテに付加する機能として経営分析は求められるものかなと思います。
大手の電子カルテはやたら高い見積もりを持ってくるし。
電子カルテって医者がよく使う絵が描きにくい。
そういう意味で、オラクルとコンサルにいた経歴があり、聖路加の経営企画にいらっしゃった鐘江さんはITも医療も「両方分かる人」で、安価な電子カルテを出したことは期待しています。
問題になるのは営業コストで、中小や診療所に手離れ良くじゃんじゃん売れるという絵を描くことができずその時はお蔵入りになりました。。
とのことですが、ちょっとした病気でもすぐMRIにかけられて払いが1万円を超えるなど患者におおむね不評です。設備投資したから回収せねばという構図が透けてみえる投資はやめていただきたいものです。
電子カルテのプラットフォーマーが複数いるのは好ましいことと思いつつ、相互互換性は当然担保されているんですかね?
電子カルテの普及で、リモート受診も可能になり、待ち時間緩和・セカンドオピニオン・医療費負担削減(家計にやさしい)など、患者のベネフィットも生まれます。地域によってかかる病気や、世帯など把握できれば、医者の経営の効率化もはかれるでしょう。
経営分析の要素は現場でもニーズがあるのだなと皆さんのコメントを読んで感じました。
個人医療データはセンシティブなので、簡単に分析を外部委託しにくいのが課題。医療情報共有専用の高度セキュリティシステムなんかは求められてきそうな気がします。